近年世界的に数が減少した空冷Z系車両。その枯渇現象から2010年頃を境に相場価格が上がり始め、車両の程度が 悪くなっているのに値段は高くなると言う状況が今もなお進行形として続いている。車両の状態が悪くともフレーム修正に 始まり足回りの総交換、エンジンフルオーバーホールと言ったレストア&カスタムを施すRCMでは、よほど酷いベース車 でもない限り問題はない。むしろ問題なのは例え状態が悪かろうとも今後入手が出来るかどうかと言う点にある。そんな 厳しい時代を迎えながらも、愛媛県在住のオーナーはオーダメイドでのRCM購入を決断。Z1‐Rをベースに17インチ ホイールシャシーで製作が行われた。

フレームはレーザー測定後にストレッチを施し、サンクチュアリーオリジナル補強 STAGE‐Ⅱを施工。美しくパウダーコーティングされたフレームには、RCMご用達とも言えるロードレース世界選手権 メーカーの逸品 O・Zレーシングホイール・Bremboブレーキ・OHLINSサスペンションを採用。それら世界最高品質の 足回りアイテムをRCM専用となるSCULPTUREパーツで組み上げる。只単に取り付けただけでは本来の性能を発揮 する事ができない17インチシャシーにおいてバランス良くマッチングさせる事は必須事項であるから、この組み合わせは データーベースに基づき築かれた最良のコンビネーションである。そんな車体に搭載されたエンジンは長期使用において 耐久性のあるライフパッケージ。ハイパワー化だけでなく、扱い易さ・乗り易さに重点をおいたオーバーホールメニューで 仕上げられたチョイスだ。

他にも電装系やボディパーツなどRCMならではのメニューがふんだんに施されており、リプロ パーツの少ないZ1‐Rながらベストコンディションを実現させている。あくまでも新車ではないが限りなく新車に近いコンディ ションで完成した、このRCM－510 Z1‐R。長く安心して乗り続けられるのはもちろん、スポーツバイクとしての動性能は ノーマルと比べ物にならない程向上しており、見るだけでなく乗る事を楽しむ事ができる、自分仕様の一台に仕立てられた RCMである。