"Z1‐Rは空冷Z系車両の中でもヨーロッパ車の雰囲気を漂わせているZである。独特なそのスタイルはセパレートハンドル化する 事でよりレーシーなフォルムへと変わるが、前後17インチホイールを組み合わせる事で、更にそれは現代的なセンスを伴って 変貌する。このRCM－504はそんなコンセプトの基、サンクチュアリーのスタッフ主導の元に製作されたRCMクラフトマンシップ 車両である。

デモ車として製作されたクラフトマンシップなだけに各部のパーツや仕様のレベルは高い。通常RCMはロードレース 世界選手権のマシンに多く採用されている最高峰メーカー製の足回りだけに拘っているが、当然それらは一流メーカーの逸品な だけに高価・高額である。それでもこのRCM－504では、OHLINSサスペンション・OZレーシングホイール・Bremboブレーキと 3種の神器たる世界最高峰のシャシーで構成。そのパーツ価格の合計だけでも相当な仕様である。

そんな優れた一流アイテムを 生かすべく、フレームにはサンクチュアリーオリジナルのフレーム補強STAGE‐Ⅱを施工。17インチホイール化において最も適切な ディメンションを実現させるべくSCULPTURE製ステム&スイングアームを用い、バランスを重視したマッチングに仕上げられた。 エンジンはオーバーホール重視のライフパッケージだが、NITROレーシング製チタンEX+ASウオタニSP‐Ⅱの組み合わせに、 また現在はこの504を購入されたオーナーの好みでTMR‐MJNからスタンダードなTMRキャブレターへと換装され、そのエンジン フィーリングは充分トルクフル。扱い易くかつ十分パワフルな仕上がりとなっている。

他にもビーター製アルミタンクや、既に廃番と なってはいるがポジション&ルックスを追求されたNITROレーシング製RCMコンセプトシートの採用など、ボディ系への拘りも 軽視してはいない。デモ車に相応しい充実したスペックの1台であると言える。現在車両は遠く、九州は宮崎県のオーナーの元へと 納車されたが、ノーマルのZ1‐Rと乗り比べられる機会があれば是非比較して貰いたい、そんな完成度を伴ったRCMである。"