低く構えたフレームマウント式アッパーカウルにセパレートハンドル。そしてシングルシートに アンダーカウルの組み合わせ。所謂Zレーサー1号機を連想させる このRCM－484 Z1‐Rは、 北海道在住のオーナーから依頼を受け製作されたRCMである。

足回りの仕様から外装のカラー リングまで全てオーナーリクエストを具現化したもので、RCM Z1‐Rにおけるフルパッケージ仕様 と呼んでも過言ではない。それほどまでに凄まじく手を加えられた一台である。最も特徴的な外装 パーツにはRCMご用達 TOMO-FRP製シングルシートを採用。造形の趣深いシートはレーシング イメージの色濃い形状で高級感をも感じさせられるフォルム。またNITRO RACING製アンダーカウルも 「取り付けてない方が良いのでは?」と言った類のものではなく、このマシンにベストマッチしている スタイリングである。

フレームマウント式アッパーカウルのブラケットはマシニングによるジュラルミン 削り出しの逸品を採用。ワンオフによるそのブラケットは高機能であり、カウルに隠れて見えない のが残念だがその造形は複雑で単品製作物だけが持つ迫力あるビューである。エンジン・吸排気系・ 点火系・そして足回りにも一切の妥協がない。どれほどに造り込んだとしても使用したパーツの メーカーグレードが低ければそれは必ず走行性能に影響して来るし、また同時に見た目の凄み、 ハイレベル感を醸し出すルックスにも大きく影響するから、パーツを妥協しない事はコンプリートマシンを 製作する上で大変重要な要素だと言えるだろう。

事実このRCM－484には独特の凄みを感じさせられる 何かがあると思えるし、それは見た目だけでなく動性能面においても体感できるものがあるから、 時間を掛けて製作した甲斐のあるマシンだと言えるだろう。