福岡県在住のオーナーから「濃い真紅のZ1-Rがいい!」と依頼を頂き、当時まだフレーム作業が始まった ばかりの このRCM－454を購入。車体各部におけるパーツチョイスから色の指定まで全てほぼオーダー メイドと呼んでいい状況での製作となった。

RCMにおけるZ1-Rでのコンセプトは全車共通したテーマだが、 ノーマルZ1-R特有の動性能を大きく改善する事にある。走らせればわかる事だが、ノーマルZ1-Rのその ハンドリングは“R"の称号に相応しきものではない。直進安定性とブレーキング そしてコーナリングと言う、 およそスポーツバイクに必要な資質が決してバランス良いレベルにあると言えないからである。それら ネガティブな要因を全て払拭するべく、前後17インチホイール化メニューに伴ったフレーム加工を施し、 採用パーツも選手権で多用されているメーカーアイテムだけに絞り込む。

エンジンはライフ重視のメニューで あるが、吸排気系と点火系チューンのマッチングにより そのトルク&レスポンスは充分な仕上がりである。 ステム周辺装備の軽量化とナイトロレーシング製スクリーンの効果もあって、マスク周りが原因で派生する ヘビーハンドリングも解消。全く同じステージでノーマルZ1-Rと乗り比べして貰いたい、そんな一台である。