個性的なボディのマットカラーはオーナーリクエストによるもので、このRCM－392は個性的な仕上がりを 感じさせる一台である。RCM特有の17インチホイールシャシーである事に変りはないが、新たにラインナップ されたOHLINS正立エクスモードパッケージのラジアルマウントキャリパーや、ナイトロの異形サイレンサー ヴァリアントチタンのマットブラック ショ－トTYPEなど、随所にこのRCM－392ならではを感じさせる仕様が 見られる。エンジンも月並みではない。

ドイツWossner社製鍛造ピストンは12．5のハイコンプレッションスペックで、 他にも時間と予算を掛けて仕上られたパワーパッケージである。オーナーは「乗っていて面白いZにしたかった」と コンセプトを語っていたが、この言葉は造り手側にとって何よりも嬉しいリクエストである。

レストアを施したノーマル仕様も魅力はあるが、やはり今でも元気に走る、突き詰めれば、最新車輌とランデブー走行可能な空冷Zこそが 最高に魅力的なマシンであると、基本的な概念があるからである。懐古的な趣味趣向ではなく、あくまでもスポーツ ラィディングをZに求めるオーナーの姿勢こそが、このRCM－392の全てであると言えるだろう。