RCMクラフトマンシップは、サンクチュアリーのスタッフ主導の元に製作され完成した在庫車両を販売するシステム。 一部に状態良い中古パーツを用いるなどしてコストダウンを図り、車両完成価格を抑えめに出来ている点が魅力の 販売システムである。このRCM－507もそんなクラフトマンシップとして製作された車両だが、要所にトップメーカーの 高価・高額パーツが採用されており、販売価格を考慮して製作されたクラフトマンシップとはとても思えない仕様である。

購入頂いた茨城県在住のオーナーも、普通にオーダーした場合との価格差やこのRCMー507ならではの仕上がりに 大変満足しており造り手冥利に尽きると言う思いである。魅力はルックスだけでなくスペック面においても充実したもので、 17インチホイール化に伴うフレームの造り込みはRCMらしい完璧なコース。合わせた足回りパーツもRCM推奨の銘柄で、 世界選手権Moto-GPマシンに採用されるトップメーカー O・Zレーシングホイール・OHLINSサスペンション・Brembo ブレーキの3種神器に拘った最高峰の構成である。緻密なオーバーホールを施されたエンジンにナイトロレーシング製 チタンエキゾーストとヨシムラミクニTMR-MJNキャブレターの組み合わせは、スムーズかつトルクフルなフィーリングを 実現させ、乗り易さはもちろん、長期における耐久性を伴った仕上がりになっている。

空冷Z系は当時のノスタルジックさを キープする傾向と、スポーツバイクとしての資質を究極に追求する方向の、概ね2つに分かれる。RCMは当然後者の 方にあたるがその動性能は飛躍的に向上しており、ノーマル系のZと乗り比べれば一目瞭然の差を体感する事ができる。 古い旧車だからと言って軽視されてしまう様なもはやそんな存在ではないと言う事が、Z系RCM最大の特徴と言っても過言 ではないだろう。もちろん安心して長く乗り続けられ、また見ても良しと、およそオートバイに求められる要素を全て満たした RCMであるから真の醍醐味は納車後に堪能して貰える、そんな一台である。