空冷Z系車両を手に入れたいと探している方は未だに後を絶たない。このRCM－503を購入されたオーナーも、そんな 想いを抱いていた一人である。Z系のオーナーは概ねノーマル派とカスタム派の二つに分かれる傾向だが、車両枯渇の 問題から今はノーマル車両であっても大変高額で取り引きされており、それをベースにカスタムするとなると予想を超えた 予算となってしまう。カスタム派にとっては状態の良いノーマル車両をベースにする方がより高額化してしまう為、最初から カスタムする事を前提に製作された車両を購入する方ががぜん有利となる。

RCMは正にそんなコンプリートマシンであり オーナーの求めていたコンセプトと完全に一致。ご来店され、既にある程度作業が進んでいたRCM－503を先行で売約 され現在の仕様へと至った。既に組み立てられた車体は17インチホイール仕様のローリングシャシー。そこに搭載された エンジンは各部を対策、オーバーホールにウエイトを置いたライフパッケージである。長く安心して乗り続けられる事が RCMにおける最大のテーマであるが、ここぞと言う時の動性能も軽視してはいない。乗り易いながらも力強い加速性能を 持ち、ワインディングロードも軽快に走れるシャシー性能を持つ。走る・曲がる・止まるのオートバイに求められる3原則を 全て満たし、それらを全て高水準な領域に仕上げると言うのがRCMである。

このRCM－503もRCMとしての動性能を きっちり追求したマシンであるから、街乗りやツーリングを始め高速クルージングやワインディングでのスポーツランまで 幅広く真価を発揮できる仕様になっており、ノーマル車と乗り比べ出来る機会があったら是非ともその差を体感して貰い たい所である。ルックスはオーナーリクエストからキャンディオレンジを採用した火の玉カラーで外装ペイントを施し、それに 合わせてTMR MJNキャブレターの構成パーツをブラック/オレンジのツートンでコーディネート。ブラック・オレンジ・シルバーの 3色で構成された車体はシンプルな中にも主張があるアダルト趣向に纏められている。

あくまで性能を重視するスタイルに 一切のブレはないが見た目の個性はオーナーの意向を大きく反映させたもので、自分だけの特別な一台と言う、これまた RCMコンセプトに則ったものである。性能と個性の両立で仕上がったRCM－503。飽きることなく長く所有できる一台である。