四国は高知県在住のオーナーが選んだマシンは Z‐1。RCMとしてフルオーダーメイドをするにあたり、約半年間と言う やや長い製作期間を掛けている。細部にまで拘ったこのRCM－495は何とも言えない存在感あるマシンに仕上がり、 オーナーのイメージがしっかり実現できた車両であると感じた。妥協なきスペックはパーツチョイスから始まっており、足回りに 採用されたパーツは全て世界の逸品。何が最高峰であるのかをよく熟知したパーツメーカー選択であったと言えるだろう。

エンジンはライフパッケージメニューながらも、NOBLESTが輸入するイタリア流通ヴォスナーピストンを用いてオーバー サイズ化。シリンダーライナーもワンサイズ大径のものに変更し、WPCやパルホスM処理と言った表面処理も施工。 パワー&トルクの向上だけでなく、同時にフリクションロスの低減や冷却性アップと言ったライフへの追求も拘った点である。 通常Z‐1のエンジンフィールはクランクシャフトの軽さも手伝って、トルク型ではないハイレスポンス型になり易いのだが、 このRCM－495は実用トルクも十分な厚みを見せるフィーリングで、NITROレーシングマスラーとTMR‐MJNキャブレターに ASウオタニSP‐Ⅱのマッチングも加わって、幅広いステージで対応するパワーフィールに仕立てられている。

ノーマルの Z‐1と乗り比べできる機会があったらその違いは一目瞭然であるから、ぜひ体感して頂きたい部分だ。空冷Z系車両は年々 入手が困難となって来ているが、ノーマル車両でもない限りその維持においては以前より容易になって来ているとも言える。 アフターマーケットパーツは基本的にリペアパーツが入手し易いし、フレームやエンジンの様な重要セクションを最初から きっちり製作してやりさえすればその後の維持は意外に容易なものだ。そこも踏まえて、このRCM－495はこれからオーナーと 長い時間を共に過ごしてくれる最高のパートナーになってくれるであろう。