数年前にRCMクラフトマンシップ車両であったRCM－442を購入されたオーナーは、その後も多少のパーツ変更を 行う程度にて楽しみながら乗られていた。だがある時、エンジンと車体全てのセクションで究極の仕様を目指すと宣言。 こうしてこのRCM‐442の大幅リメイク計画は実行される。全ての事細かく書き記すのは難しいが、サンクチュアリー 本店がZレーサーを製作するレベルに近いメニューが遂行され、結果的に1年以上もの長い時間と予算を掛けて完成に 至った次第である。

圧巻だったのはエンジンで、組み立て式のクランクシャフトを一度分解しコンロッドを鏡面研磨。同時に 重量合わせを行いWPC処理を施してフルリビルドすると言う手間の掛かりよう。同じクランクケース内に収納される ミッションには、滑らかなシフト操作性を持ちZレーサー3号機の58秒台ラップでも耐えうる強度を誇ったD・K社製の6速 クロスミッションで、そこへサンクチュアリーコウガ店オリジナルのロングアウトプットシャフトKIT、エヴォシステムを組み 合わせた最良のミッションKITとして採用。

また同じく3号機レーサーでテストされた、サンクチュアリーメカブランド製の ハイプレッシャーオイルポンプを組み込むなど、各部の対策に余念のない仕様である。肝心なパワーソースはどうかと 言うとここもまた妥協なきコースで、ビッグボアへの変更はもちろん、ビッグバルブ、ポート拡大研磨、ハイカムシャフトに インナーシム、そして高圧縮化された燃焼室にはツインプラグを奢るなど、今回のエンジンリメイクは一言では語れない。

また車体とて手を抜く事はなく、エンジン同様に注ぎこめる全てのメニューを遂行されている。量産イメージの強いキャス ティングキャリパーを前後共にCNCラジアルマウントキャリパーへ変更。スイングアームにもスタビライザーを追加溶接 施し、前後サスペンションも一掃して交換するなど、シャシーのアップグレードだけでも相当なものである。他にも細かな 装備に対して拘りのリメイクが行われたRCM‐442 Z1。外装カラーリングのスペシャルオーダーも含めて、このマシンに 強い情熱を注いだのが見て取れる、今まで製作された来たRCMの中でもトップ10にランクインする程、強力な存在となった 究極の一台である。