十数年ぶりにバイクの世界へ戻るライダーは少なくない。このRCM-432のオーナーも長い期間離れて いた経緯の持ち主である。しばらくぶりに復帰したオーナーが選んだマシンはZ‐1。それも17インチホイール シャシーで大きく変貌遂げたRCMである。

フレームにはサンクチュアリーオリジナルのフレーム補強ST‐Ⅱを 施し、ハイスペックな17インチハイグリップタイヤに対応。前後サスペンション、ブレーキ、そしてホイールと 言ったシャシーパーツの変更も伴いながら施行されている。街中からワインディング走行まで、あらゆる走行 シーンでの走破性を求めた造りはバランス重視型で、いわゆる最もRCMらしい仕様であると言える。それは 他と異なる個性を追求するカスタム車にとって逆の方向性である様にも感じるが、より安定した内容でより良き マシンを求めるなら、定番的な方向性はむしろ必要な要素であるとも言える。カスタムした事がきっかけでネガな な面が増大してしまったら元も子もないのであるから。そんな事も踏まえ、このRCM－432は製作されている。

オーナーが求める使用ステージとビジュアルに応えるべく造り込み、更にRCMとして安定ベースとなるノウハウを 投入する。このRCM－321もそうだが、近年のRCMは全てそのコンセプトとプロセスにて製作されている。