RCM－101と言う旧いシリアルナンバーの、このZ‐1。最初に製作されてから長い時間が経過している この車両は、転倒による故障から暫く寝かされていたマシンである。その後今回の修理に至ったのだが、 同時に大幅なリメイクを施されたRCMー101。そのメニューはボリュームある内容で製作当時のスペック からは大きくかけ離れた仕様になっている。基本はフレームの測定&修正に足回りパーツの交換と言った まずは修理における部分に尽力を注ぐが、せっかくエンジンを下ろしたのならばと全分解を敢行。消耗品 交換はもちろん、TW社の6速クロスミッション+ドライブチェーンラインのEVOシステムやツインプラグ 加工などチューニングメニューを多種取り入れている。

フレームに関しては各部の修正と同時にリアサス レイダウン位置の変更やドライブチェーンライン軌道のインライン処理など見直しによる再加工が施され、 見た目の変化は少ないものの最新のRCMフレームとして完成度を上げている。他にもここ数年の間で 新型に移行したパーツがいくつかあり、それらへの交換により個々のパーツグレードがバージョンアップ したこのマシン。ホワイトとクロームメッキ、バフポリッシュを多用したビジュアルは最近では少数派なだけに 新鮮に見える。キャンディブルーの外装ペイントと車体パーツの一部にブルーアルマイトが配され、カラー コーディネートはオーナーの世界観で上がっており、個性派RCMとしての仕上がりを感じる1台である。

オーナーはこのZ‐1でワインデイングロードを走るのが好きであり、故に総合的スポーツバイクとしての 資質を向上させたマシン造りである。
カラーコディネートは運動性能に影響しないから自由な選択肢が 出来る分野であり、完成した出で立ちからは硬派な造りの中に遊び心が加わっている、そんな印象すら 受ける仕上がりである。

101と言う旧いシリアルナンバーでありながらここ最近製作されたシリアル車の エッセンスをも持ち合わせたRCM Z‐1である。近年空冷Zの枯渇からベース車の入手困難になっている 事もあって中古車相場価格が高騰してしまった事情があるが、長年所有して来ても売却する気はないと 言った想いをオーナーから感じとれる。先々諸事情から手離さなければならない事も来るかも知れないが、 1台のバイクを長い年月所有する中でこうして大きなリメイクを施すと行為と言うのは最初の製作時に楽しみ 時間を経た後のリメイクでまた楽む事が出来るから、マシンへの愛着もひとしおになると言えるだろう。