福岡県在住のオーナーは自らも車バイク関連の会社を経営されており、所有されていた GPz900R Ninja ファイナルエディションを当本店へと陸送で送り、車両お持ち込みでのRCM Ninja TYPE-R化を果たした。

あえてNew TYPE-Rとしていないのは、New TYPE-R特有のエンジンフルオーバーホールと電装系の フルコンバートが、ファイナルエディションと言う比較的高年式のNinjaであった事からその必要性がなく、 従来からのTYPE-Rメニューで十分だった事にある。ベース車両のコンディションさえ状態良ければ、本来 TYPE-Rは足回りや吸排気系と言った車体回りに特化したRCMであるからだ。

そんなファイナルエディションを ベースにRCMシリアルナンバーが付帯されたこのマシン、カラーリングこそノーマルだが、それ以外の全ての セクションはTYPE-Rとしてもアップグレードに位置する仕様である。Brembo製ラジアルマスターシリンダーや O・Zレーシング製6本スポークホイール GASS RS-A、そしてスタビライザー装備のSCULPTURE製スイング アームなど、パーツチョイスや加工メニューにおける妥協は微塵もない。「やるならとことん」と言うオーナーの このマシンに対する強い気持ちから、この仕様へと新生したのは言うまでもない。

今となっては旧車感が強い Ninja。ファイナルエディションとて完成度は高いながらも、基本設計はあくまでも80年代のNinjaそのものである。 現行ハイスペックラジアルタイヤの性能や多くの社外パーツの高性能ぶりを得るには、足回りを大きくリファイン する必要性がある。だが手を加えてやる事で潜在性能は飛躍的に向上するから、そういった意味ではNinjaと 言うマシンの面白みの幅は広い。今後も長く楽しみながら所有できる、そんな一台である。