RCM-612 Z1-Rをオーダーされたオーナーが同時にオーダーした二台目のマシンが、このRCM-613 KZ1000MK-Ⅱである。二台同時注文、どちらも空冷角Zと言うからダイナミックなオーダーとしか例えよう がない。一台目となるRCM-612 Z1-Rも然りだが、このRCM-613 MK-Ⅱも抜かりのない仕様で製作 されており二台目が故のダウングレードと言うのはない。足回りは前後輪17インチホイールシャシーで RCM-612同様拘りのトップメーカーアイテムのみで構成。

17インチシャシーのZ系RCM全てがそうだが、 フレームはレーザー測定ストレッチ後にサンクチュアリーのオリジナルフレーム補強とリアサスレイダウン、 またドライブチェーンオフセット化に伴うインライン処理が施され美しくパウダーコーティング仕上げされて いる。フレーム補強や加工には精密な精度を追求する必要があり、RCMでは各種専用治具が用いられて 加工されているが、この専用治具こそは欠かせないツールで治具無しで正確な加工は出来ないから、最も 重要な要素の一つであると言える。そんな洗練された精度のフレームに17インチホイールの足回りが装備 されるローリングシャシーでは最新ハイスペックラジアルタイヤを装備できるメリットがある。日々進化を 遂げるラジアルタイヤ銘柄の大半は17インチであるからホイールの径イコール高性能タイヤが履けるの 図式が自ずと成り立つ訳だ。そんなシャシーに搭載されたエンジンはRCM‐612 Z1‐Rと同じスペックで、 612と613点火系やキャブレターも統一されている。

マフラーのみスチールメガホンをチョイスしているが Z1-RとMK-Ⅱのエンジン特性を比較するのには良い条件と言えるだろう。612同様6速クロスミッションを 採用しているが、ドライブチェーンラインを17インチワイドタイヤ専用で設定しているEVOシステム仕様で あるから、二台共に最上級のアイテムを選択されている。先のRCM-612と、このRCM-613、いずれも 同時注文で同時製作進行、そしてほぼ同時期に納車されたが、それらが異なる時期であったオーナーは 数多く居るものの二台完全同時と言うのはRCM-612と613が初の例である。双子の兄弟であるかの如き このマシン。似ていて異なる二台の個性を知って頂き、Z1-RとMK-Ⅱの違いを見極めた上で今後のアップ デートを計画するのは趣深い楽しみ方であると感じる、そんなマシン達である。