福島県いわき市に在るサンクチュアリーグループ店の一つレッドイーグルは、現在RCM製作におけるエンジン塗装 ガンコートを施工する拠点となっている。代表の吉田は積極的にトライするキャラクターで、ガンコートを始めとした セラコートや結晶塗装など、店舗敷地内には塗装専用ブースを設備してRCMのコーティング部門を支える、今や 重要な位置づけ店である。そんなレッドイーグル店から本店へとオーダーになったマシンがこのRCM－521で、 元々レッドイーグル店のお客様だった方が年々入手が厳しくなる空冷Z、それも最も見つかりにくいMK‐Ⅱをベース にRCMを製作したいと依頼。それなら数年前から空冷Z系ベース車を在庫して来た本店にとオーダーが入った経緯 である。

とは言えレッドイーグル店が何もせず完成を待つと言うスタンスではない。基本的な製作はサンクチュアリー 本店で行われるもオーナーとの打ち合わせやアドバイス、そして何よりエンジンガンコートなどのコーティング作業を レッドイーグル店で施工。部分的とは言えあくまでも窓口はレッドイーグル店であり、同時にRCMを製作する上での コーティング工程と言う重要な役割を担っていた事からコラボ的な流れに繋がった。だが何題は他にもあり、如何に ベース車在庫を多数所有している本店と言えどMK‐Ⅱは既に高額化しており、どうにも予算問題がクリアー出来ない。 そこで何とか成り立たせるために中古パーツを多用した製作プランを提案。中古パーツと言ってももちろん状態の良い ものを厳選したものばかりである。パーツそのものの消耗が著しければRCMの完成度は成立しないから、この点は 絶対条件であると言えた。このプランで実現へと至ったRCM－521だが、フレームへの加工やエンジンのリビルド& オーバーホール、そして電装系や吸排気系の仕上げなど、RCMを製作する上で必要になる作業は全て本来あるべき クオリティで造り込まれている。

高額化したとは言えRCMのシリアルプレートを取り付ける為の条件は妥協できない ものであるから予算を配慮しての打算的な工程はないと言って良い。そこのレベルを下げてしまえばそれはもはや RCMとは呼べないのだから必須科目は徹底して施工。サンクチュアリーオリジナルフレーム補強ステージⅡを筆頭に 17インチシャシーコ－スでセットアップされた車体と精密内燃機加工を全メニュー施工され組み上げらたエンジンは、 最新RCMの運動性能を発揮する満足度の高いものである。今後MK‐Ⅱをはじめ空冷Z系車両は増々入手が厳しく なり相場価格もまだ上がって行く可能性がある。そんな厳しい時代の中でもオーナーの情熱が実現を果たさせたこの RCM－521はそのプロセスが個性的な故に印象に残る1台となった。