このRCM－265 Z1000MK‐Ⅱは2012年頃に製作され、沖縄県在住オーナーの元へと納車されたRCMである。 数年の時を経ていくらか出て来た車体の痛みなども考慮し、思い切って大きくリメイクする事を決めたオーナーは RCM－265が元々製作をされたここ本店へと里帰りさせる。そのリメイク内容は大変なもので、時間をかけて大掛かりな 作業が進行。

まずはオーナーが以前から計画していたシングルシート化であり、それに伴ってシートレールのアングルを 大きく加工。リアサスの取り付けを車体中央寄りにマス集中させるレーシングレイダウンとなり、併せてシングルシートの フイッティングを敢行。ワンオフしたアルミシートレールやインナーフェンダーなど、造り込みは多岐に渡る相当な内容だ。 外装は同時にアルミタンクへ変更。キャンディライムグリーンにカーボン調のグラフィックを織り交ぜたスペシャルペイントを 施している。また今回のリメイクではルックス面の変化もさながらエンジンにも力が注がれた。一度全分解されたエンジンは 見直しからのオーバーホールはもちろん、ハイカムシャフトの採用やピストンサイズアップなどチューニングメニューも多く 取り込まれており、定評の高い6速クロスミッション&EVOシステムも採用されている。ジュラルミン総削り出しから成る デュアルベアリングホルダーとコンビのミッションカバーにより、クランクケース側面剛性は飛躍的に向上。ギヤ抜け防止 高価をもたらしつつオフセットスプロケット不要の理想的構造化を実現させた。

他にもTMR MJN DSFキャブレターや Brembo CNCラジアルマウントキャリパーへの変更など、今回のリメイクで変更になったパーツは多数に及ぶ。乗車した 際のフィーリングは当然ながら以前とは別モノになっているが、動性能だけを追求した訳ではない。例えばストリートでの 実用性を考慮しシングルシートに小物入れを新設している。着座する後部バックレスト部に簡単に開閉できるプレートを 取り付け、シングルシート内部の広い空間全てを小物入れとして利用できる様に最低限の利便性も設けている。こういった 乗り手にとってのメリットもRCMでは軽視をしていない。長く乗り続けていけると言う要素は何も動性能の向上だけに限った 事ではないからである。数年ぶりに里帰りを果たし大きく変貌したRCM－265 MK‐Ⅱ。オーナーのイメージを具現化させた リメイクRCMである。