RCMは足回りやフレーム、吸排気系や点火系などフルカスタム＆チューニングを施したコンプリートマシンで あるが、同時に各部のレストアやオーバーホールを同時に施す事で良いコンディションに仕上げられている。 特にエンジンは旧車ベースの場合、必須科目と言えるのだが、ZRX DAEGやZ900RSなど中にはそれを 必要としない機種も存在する。それはベース車両の年式が新しければ新しいほどオーバーホールせずとも コンディションが維持されているからである。このRCM-607はオーナーが以前より所有されて来たカタナの ファイナルエディションをベースに製作。

年式2000年は決して新しいとは言えないが、走行距離がそれほど 延びていなかった事からエンジンオーバーホールを行わないコースでRCM化された。エンジンに手を付けない とは言え前後輪17インチホイール仕様の車体である。カタナは基本、補強は僅かな箇所のみでフレームを 高剛性化させるのだが、リア180タイヤ採用となるとリアサスのワイド幅化やドライブチェーンラインオフセット インライン処理は欠かせないメニューになる。そのためフレームは専用の仕様で加工が施された。

あわせて SCULPTURE製のカタナ専用ステアリングステムとスイングアームが用いられ、17インチホイール専用の ローリングシャシーに仕上げられている。そこに吸排気系のチューニングが加わり、特性が変わった出力に 伴って前後サスペンションとブレーキをアップデート。特にブレーキに関してはマスターシリンダーを始めに Brembo製のハイエンドモデルへと変更。OZレーシングホイールはもちろんの事、OHLINSサスも含めて 世界一の足回りパーツメーカーアイテムのみで構成されている。

また電装系もある程度リフレッシュ化されて おり、特にメーターに関してはオリジナルのメーターパネルをワンオフしてSTACK製ステッピングメーターを ビルトイン。走行時に常時視覚に入っているメーター回りは拘りのデザインで組み上げられた。将来的には いずれエンジンオーバーホールを行わなければならない時は来るであろうが、このファイナルエディションに 関しては現状オーバーホール無しでRCMとして成り立っている。ノーマルスペックエンジンに不満が無いので あれば今回の様なケースも大いにアリだと言えるだろう。RCMのシリアルナンバーが付帯され新生果たした RCM-607 カタナ ファイナルエディション。次回ステージⅡでの発展というオプションも楽しむ事ができる、 そんな第一形態での完成である。