空冷Z系を始めとする絶版車のベース車両枯渇問題から、多くの旧車が手に入りずらくなった現代。 その深刻な問題は何もベース車に限った話ではない。所謂メーカー欠品パーツの問題も、ここに来て 目立つようになって来ている。特にホンダCB-F系は、最近欠品部品の再販がされた750Fを除いて リッタークラスの逆輸入車系は全滅状態にあり、エンジンオーバーホールを行う上で必要不可欠な 重要パーツが多く入手できない状況にある。それは年々厳しい状況になっており、RCMである以上 絶対に必要不可欠となる「ベストコンディション」と言うテーマを満たす事が出来なくなっている事でも あるから、パーツ入手の容易さは重要だ。

このRCM－460はサンクチュアリーのスタッフ主導の元に 製作され販売されるご存知「RCMクラフトマンシップ」の一台。たまたま状態の良いCB1100-Fが 適価で入手できた事からクラフトマンシップで製作する事に至ったのだが、作業が開始され完成するまで 1年もの長い時間が掛かっている。その製作期間の殆どがオークションでの欠品パーツ探しであった 事からも、如何に欠品パーツが大きく影響したかが解ると言うものである。このRCM－460は紆余曲折 ありながらも完成に至り、その後すぐオーナーさんが決まったが、エンジンオーバーホールにおける パーツ入手の難しさを考えると、今後CB1100FでのRCMは製作は困難であると判断。

お客さんが 所有されている車両を持ち込まれた場合はもちろん対応するが、ベース車から用意し造り置きをする RCMクラフトマンシップに関してはCB1100F&900Fのみ、この460を最後に製作しない方針となった。 残念な結果ではあるが、高い完成度を誇るRCMの水準を守る為の選択である。いずれにしてもこの RCM－460は、最後のクラフトマンシップCB1100Fとして記念的な一台になったとも言える。