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タイヤサイズとチェーンライン
リアタイヤサイズ180:チェーンライン17mmオフセット
リアタイヤサイズ190:チェーンライン23mmオフセット
530シール入りドライブチェーンを使用するのであれば、このタイヤサイズとチェーンラインのオフセット値における関係は、絶対的な数値だと言えます。
リアタイヤのワイド化で発生する問題
リヤタイヤを大幅にワイド化させると、タイヤ左側面とドライブチェーンの位置関係で、ほぼ100%干渉問題が発生しま す。この際、チェーンとの干渉を避ける為にホイルを右へ大きくずらすという選択肢は論外です。(残念ながら、そのような車輌が多く存在しているのも事実で す...) ホイル(タイヤ)はあくまでも車体中央に設定したい訳ですから、適正なアライメントを設定する為に、ドライブチェーンの 通過軌道位置、すなわちフロントとリアのスプロケットが設定されている位置を外側(車体左側)へ位置変更(オフセット)させ、タイヤ左側とチェーンとの間 に必要なクリアランスを確保するわけです。 ここで大切なのは、もともとメーカーが車体中央に正しくアライメント確保していたノーマルのホイルやデイスタンスカラー の寸法を正確に測定し、装着するワイドホイル側にその数値を適用させた上で、最終的に前後スプロケットの取り付け位置を計算上で応用させてチェーンライン を設定するという点です。まずホイールセンターアライメント、続いてチェーンライン値の設定
チェーンライン(前後スプロケット取り付け位置)を正確に測定し応用させても、ホイルを組み付ける最後の段階で、ホイル 自体のセンターアライメントがずれてしまっていては、結果的にホイルのずれ誤差分、チェーンラインもずれ込む形になってしまうので、まずはホイルのセン ター出しが重要となります。 近年、各タイヤメーカーからリリースされるスポーツラジアルタイヤの実測幅が、平均的に太くなってきています。180タ イヤであっても、幅を実際に測定すると183~184mm程度の幅を持つ銘柄が多く、中には表示よりも大幅に太い銘柄も存在します。もともとリア 180+15mmオフセットスプロケットで問題無かったものが、実測幅の誤差が大きい銘柄に交換したところ、17mmオフセットスプロケットに仕様変更せ ざるを得ないケースも出ています。 チェーンライン15mmオフセットのまま、180タイヤで様々な銘柄を履かせたいのであれば、消耗交換サイクルの早いシールレスタイプの530チェーンを選択せざるを得ない状況です。180タイヤを車体中央に設定した場合
選択したタイヤ銘柄により実測幅は微妙に異なりますが、ここでは全幅を183mmと仮定して検討します。530ドライブチェーン(シール入り)を使 用した場合、スプロケットより内側にチェーンのプレートやピンの頭など、約7.5mm程スペースを使ってしまいます。また、タイヤとチェーンとのクリアラ ンスも2~3mmは最低でも確保し、以下の計算式でチェーンラインを算出します。
※使用するフロントスプロケットは17mmオフセットで、リアスプロケットハブはリムセンターより102mmまで削り込めばチェーンアライメント整列となります。
ドライブチェーンの軌道確保
もともとワイドタイヤ向きの設定ではないマシンは、180タイヤサイズに対応するチェーン軌道に設定した場合、フレーム(左・内側)に大きく干渉してしまう問題が発生します。Zに関しては確実にこのケースにあてはまるため、対策加工インライン処理が必要になります。
ドライブチェーンオフセット対応インライン処理は加工に伴う作業量も多く、フレーム補強やレイダウン加工と同様に、高い精度と強度が求められる非常に高度な加工技術を必要とする作業です。
SANCTUARYでは長年に渡り、開発のテストベット車輌とも言える自社Zレーサーにおいて同作業を施しながら試みを 繰り返し、ハードな走行モードでの強度と安全性を確認してきました。インライン処理後の左サイドピボット周辺部の強度は、私達が予想したレベルよりもはる かに高く、安定した剛性感と高耐性を示したため、RCM製作おいても純正作業メニューの一つとして推奨しています。
フレーム内側3ヶ所をザグリ加工し、凹字プレスアングル材をはめ込み、溶接します。180タイヤ(チェーンライン102mm)と190タイヤ(同108mm)対応で、工程が異なる為、初期打ち合わせの段階で仕様を決定します。