18インチホイル採用フレーム
いわゆる70~80年代風の旧車らしいスタイルで、スタンダードのディメンションを大きく崩す事無く、従来の乗り味を最大限残したチューンナップを施します。乗り味も本来の自然なフィーリングとなり、オールラウンドに使用しやすい傾向の車体です。
フレーム
決して補強過剰にならないよう配慮が必要な18インチシャシー。補強点数もST-1~2の範囲の中で施すのが一般的です。レイダウン加工におけるアッパーマウント部も、スイングアーム垂れ角が最も小さい角度で収まり、車高変化に影響が表れにくいポイントに設定して溶接します。使用するスイングアームやマフラーの寸法によっては、ノーマルのタンデムレール部を切断せずに残すケースもあり、加工が完了したフレームはサンドブラスト処理後、パウダーコーティングを施します。
ホイル
マッチングの良い18インチホイルの銘柄は意外に少なく、主にDYMAG等のブランドメーカー品、あるいは一部車種の純正流用18インチホイルを使用するというケースが大多数です。適切なリム幅は、フロントが2.50~2.75、リアが4.00~4.25がベストチョイスと言えます。近年、18インチ用スポーツラジアルタイヤが各メーカーからリリースされた為、18インチ=走行性能が低いという評価は少なくなりました。
ステアリングステム
空車1G状態におけるキャスター角度の設定が、ノーマルから大きく離れない24.5°~25°にディメンション設定するため、フォークオフセット値は45mmのステムを使用するケースがほとんどです。ストリートというステージにおいては大切な要素でもあるハンドルの切れ角も、実用域で確保しようとするのであれば、オフセット値45mmという設定は必要最小限と考えます。R.C.MではSCULPTUREを推奨しています。
フロントフォーク
ノーマルフォークをレストア&オーバーホールし、モディファイを施して使用する場合と、KYB系のφ38フロントフォークをASSYで使用するケースがほとんどです。ただし、φ41~43クラスの大径フォークを使用する場合、フォークスパンのワイド化が必要になる為、寸法的にマッチングが悪いと言えます。
スイングアーム
基本的にワイド幅な物でなければ、純正部品の流用でも良いと考えます。材質はアルミでもスチールでも好みの物を選択すれば良いのですが、アームの単体長は490mm~510mm程度がマッチングが良いと考えます。SCULPTURE18インチ専用スイングアームも現在開発を検討中です。
フロントブレーキ
18インチ車の場合、パーツ単体のルックスを重視されるケースも多く、キャリパーも2ピストン鋳造品を採用する傾向が強くあります。ディスクローターに関してはセミフローティング大径化が主流ですが、使用するホイルによってサイズ及びコストが異なるため、ホイルとディスクローターの選択には密接な関連性があると言えます。ラジアルポンプ式マスターシリンダの採用は有効で、シリンダーサイズは使用するキャリパーとの相性を検討しながら決定します。ブレーキホースに関しては、出来合いの物は一切使用せず、一つ一つ車体にあわせて組立て製作します。アルミフィッティングよりも耐久性に優れるステンレスフィッティングが有効で、スリーウェイ及びバイピース仕様もオーダー可能です。
リアブレーキ
フローティングマウント方式のボルトオンKITを使用するケースがほとんどではあるものの、トルクロッドの固定方式に関しては、フローティングを廃止してスイングアームにマウントを新設、ショートトルクロッドによるリジット方式とします。フローティング方式に比べ、制動時におけるコントロール感を体感し易く、軽量な上、UPタイプマフラーのテールパイプ軌道にも寸法的に有利となります。
リアショック
重要なのは、400ccクラス用の軽量車用ショックを流用しないという点と、中古部品であればオイル漏れ、シャフトの傷、スプリングのヘタリ具合等、コンディションの良いものをチョイスすることが重要です。現行の上下減衰調整機能が装備された最新のリアショックは優秀な仕事をしてくれます。
ポジション
操作系パーツが扱い易く、しっくりと合う事は、オートバイを安全に走らせるという点において非常に重要です。ハンドルバーはUPハンドルであればシャシーからの微細な振動を伝達しやすいアルミ製はできる限り避け、スチール製の物を推奨しています。ステップは、踏み込みストロークが適度に設けられ、リターンスプリング機構が備わっている物がリアブレーキのひきずり防止にも有効です。またマスターシリンダを前方にレイアウトさせる事で、後付けのタンデムステップ等と重なる事の無いNITRO RACING製を推奨しています。シートは市販品をそのまま使用しても問題はありませんが、より美しいシルエットと、ライディングの際に違和感の無いシートにする為、ウレタン加工を施し、レザーも製作し直した物を装着しています。