ご報告とお詫び
2018年を迎えて間もなくの事でしたが、平成26年6月に納車された一台のKZ1000MK‐ⅡがKZ1000のフレームナンバーであったとオーナー様からご指摘を頂きました。
過去の書類を調べた所 確かにKZ1000のものであると判断出来た為、オーナー様に謝罪した上で特例ではありましたが全額返金を行って車輌を回収した次第です。
改めてフレームを確認しましたが、最大の特徴であるダウンチューブの二重管構造・ステアリングロック・テールカウルの周辺構造、そしてヘッドパイプを始めとするパイプの溶接痕などはメーカー純正そのもの。全く違和感のない正しくMK‐Ⅱと言う印象でした。
ではKZ1000のフレームをMK‐Ⅱの形状にする加工を行ったのでは?と言う考えが浮かぶかと思いますが、
例えばシートレールの一部が欠損しているフレームをあくまで修理として復元する加工はあっても、全く別の車種に変える為のフレーム加工と言う行為は断じて行った事がありません。
前者と後者では同じ加工であっても大きく意味が異なるからです。
あくまでも仮の話ですが、MK‐Ⅱと同じフレーム形状に加工しようとするならダウンチューブの二重管部をメーカー同様の見た目にする必要性があります。
ですがこの部分は手順上フレーム本体主要部の一部を切り離す必要があり、あまりにも大掛かりすぎて加工の設備がある弊社でも ここまでの模倣は不可能です。
また今回のフレームは溶接痕までメーカーの生産ラインによる痕跡でした。
弊社のアルゴン溶接機では同じ溶接痕は実現出来ませんし、フレームはやはりMK‐Ⅱのものであったと捉えております。
では何故 MK‐Ⅱフレームと思えるものがKZ1000のナンバーになっていたのかは、残念ながらわかりません。
現段階では本物のMK‐ⅡフレームにKZ1000のナンバーが不正打刻されていた車輌だったのではないかと推測しています。本件の車輌は4~5年ほど前に輸入業者から仕入れたと記憶しています。Z系車輌の殆どは複数の業者から不定期に購入していますが購入時の記録は無く、残念ながら判断が出来ません。
個人的な意見ですが、日本に輸入される前の海外にあった段階から不正打刻が行われていたのではと考えています。
KZ1000とMK‐Ⅱの書類上での見分け方ですが、名称欄にMK‐Ⅱと言う表記はなく どちらもKZT00Aの名称で統一されています。
書類には製造初年度記載もない為 フレームナンバーのみで判断するのですが、仕入れた車輌の姿形がMK‐Ⅱそのものであった事。
そして何よりの問題は当時 車輌の判断が現物確認主義で、下6桁の番号確認を怠った点にあります。
MK‐Ⅱであると疑う事無く 通常の製作メニューを施したのですが、KZ1000とMK‐Ⅱにおける下6桁番号の境い目を調べなかった点が本件を招いた原因であり、この点は全く弁明の余地もありません。
いずれにしてもオーナー様には大変嫌な思いをさせてしまった事であり、この場もお借りして 改めて深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。
本件の車輌はもちろん販売する事はありません。大変残念ではありますがシリアルナンバーは欠番抹消と致しました。
またこの件を境に過去に製作した車輌を遡って照合しております。2018年現在 450台前後あるRCMの内 Z系は約8割を占めており、調べ切れない極々一部の車輌もありましたが、ほぼ全てに近い台数で車種とフレームナンバーが異なる車輌は幸いにもありませんでした。
一部のRCMオーナーの皆さんに ご心配お掛けした事、あわせてお詫び致します。
今後はこの様な事が一切起きない様 細心の注意を払い、また販売車輌RCMクラフトマンシップにおいては車種を判断出来る部分のみフレームナンバーを事前表記して問題がない事をご確認頂ける様 配慮して参りますので、何卒よろしくお願い致します。
2018年 1月31日
サンクチュアリー本店 (株)ノーブレスト 代表取締役 中村 博行