色々考えると・・・ 第3回・・・
今回は角度を変えて、自分達の業界に照準をあててみました。
あくまでも中村 イチ個人の意見として、見て頂ければと思います。
私達 カスタムバイクの業界は 一般のオートバイ販売業界に比べて
ある特定のユーザーにのみ支持された いわゆる ニッチマーケット。
大量生産・大量消費と言った、大手メーカーの事業形態とは 全く
異なるものです。
マニアックなコレクターや カスタムフリーク達に支えられている
すき間の業界と言っても いいでしょう。
そもそも日本のカスタムバイク業界の起源、原点となったものは
かつてのレース業界だったと 自分は捉えています。
1970年代から盛り上がったバイクブームに加え、同時に広がった
バイクレースにおける認知度の広がり・・・
当時、自分もまだハイティーンだった時代に、お金も力もないのに
仲間達と鈴鹿4時間耐久レースに 出る計画をしていたほど・・・
バイクがコミックスで大いに取り上げられていたのも その頃で
自分も少年マガジンは、毎週欠かさず買ってましたね (^^)/
その後、第三京浜 保土ヶ谷PAの影響もあり、空冷Z系ブームの
到来と共に 旧車の人気が徐々に上昇・・・
1980年代は今の、ジャパニーズカスタムバイクスタイル 確立の
礎になった時代と 言えるんじゃ~ ないでしょうか。
そのころ同時に 数多くのショップも登場。
およばずながら、1995年にサンクチュアリーも創業されまして。
お客さんは知り合いだけ・・・ と言う、典型的なパターン?
先の事など考えず、やれると油断しまくってた頃・・・ (;^ω^)
それでもカスタムブームは白熱化していたから、追い風のおかげで
何とか なったかなと・・・
ところが・・・
2000年代に入って業界全体に、何だか元気がなくなって行きます。
2000年代と言えば、江戸川区に移転したサンクチュアリーが
あまりの忙しさに、毎日ドタバタしてた事しか思い出せませんが
当時 同業者やメディアから「カスタムブームの火が消えた」とか
「いよいよ終わりが見えて来た」 とか、さんざん聞かされたのを
憶えています。
毎日忙しい サンクチュアリーにいたので、そんな話を聞かされても
(一体 何の事?・・・) としか、感じず・・・ (^ ^;)
でも その当時、 確実に低迷と降下は 始まってたんでしょうね。
それから10数年・・・ 更に大きく 時代は変わろうとしています。
今年7月のイタリア出張では、現地ミラノで 色んな話を聞きました。
2040年までにガソリン車を撤廃する フランスの宣言に追従して
ユーロ圏の各国家も それに習う方向性である事から、現在 内燃機と
それに関連する部品メーカー&販売業社の先行きが 懸念されてる事。
訪問各社との雑談の中、ヨーロッパ全体で40万人もの失業者が
出るとか 出ないとか? そんな話ばかり・・・ (・_・;)
イタリア語でも 近い将来やって来るであろう 危機を語ってるのが
通い始めて12年目に 始めて伝わって来ました。
そんな2040年まで、あと21年・・・
2040年1月1日に突然、ガソリンからEVに 一気に切り替わる
訳でもないでしょうから、これからの20年間で 少しずつ世の中の
乗り物がやインフラが 変わって行く事になるんでしょうねぇ・・・
いやぁ~ ギリギリでもいいから、 願わくば 自分の現役時代に
からんで欲しくなかったスね~~~・・・ ( ̄▽ ̄;)ハ~
とはいえ20年も先の事なんて、正直 わからんし・・・(笑)
それより より衰退して行くであろう、これからの業界10年間を
健全に過ごせなかったら、更にその先の事を心配してても・・・
そんなの無用でしたなんて事にも なり兼ねません・・・ (;^_^A
2018年、年頭のテーマは “路”
“路” と書いて “みち” ・・・
RCMは数年前から 海外に対してアプローチして来ました。
日本でのRCMユーザーの年齢層は、私もそうですが50歳代前後で
今でも熱い温度を持った人達ばかり・・・
でも あと10年もすれば、さすがに今と同じは ありえないでしょう。
ZやNinja カタナと言った、絶版バイクに頼ってばかりじゃ
この先 立ち行かなくなるよと言われそうですが、新機種 あるいは
別業務なら成り立つのか? と言う方が、むしろ疑問です。
違う業務も始めておかねばと言う考え方は 一見 フレキシブルに
感じますが、月並みな思考と言えるかも・・・
自分の持論は、機種や業務と言った目線で捉えていません。
1970年~80年にかけての バイクブーム世代 ユーザーこそが
特別に熱い情熱を持っており、2000年以降 その世代達が好む
バイクの多くが絶版旧車だったと言う話・・・ なんですが・・・
旧車と言う機種が持つエネルギーと言うよりも あくまでもユーザーの
パワーであって、それこそが ここ20数年間のカスタムバイク市場の
本質だろうから、新機種への挑戦や業務の改革で 今までと同じ水準を
保てるとは とても思えず・・・
言い換えれば、今中心となってるユーザー達が 大きく減退したなら
も~ 何をやっても お手上げ! (/・ω・)/
だから 「今までの市場で 違う業務を」・・・ ではなく
「異なる市場で 今までの業務を!」・・・ だと 思うんです。
最もそれも、これから10年間位に限定された話なんでしょうが
10年続くって 実は根拠と実力が伴わなければ 成り立ちませんから
最初の一歩である 今を、軽視しないで行きたいと思います。
今年11月、カリフォルニア州 ロングビーチで開催される MCショーを
きっかけに、そこから更に拍車が掛かります。
最もこの時の主役は、RCM USAのマシン・・・
ロサンゼルスの大型バイクショップに展示してある RCM-449も
出展しますが、今現在 海外メディアから取材オファーを頂いてるのは
RCM USA A16に 対してのみ・・・
なぜか 海外のバイク雑誌社は、カスタムしたZ-1やMK-Ⅱではなく
RCM USA A16に 強い興味を示してる・・・ (ホントです)
A16に強い興味を抱いてくれるのは もちろん、大変嬉しい事ですが
従来からの路線 RCMも、もう一たび PRしてくるつもりです!
一口に海外と言っても、そうそう簡単に成り立つ訳ではありません。
何年もかけて やっと何とかってトコでしょうけど、今日まで日本の
カスタム業界が育てて来た知識や技術、文化を埋もらせてしまうのは
惜しいから・・・
ならば やるだけ、やってみよう! (^^)/ って事で・・・
新たな地にて “路” を切り開くべく・・・ 始まりました。
活路が見い出せたなら 自らの業務ともども、今まで共に歩んで来た
取引き業者さん、タッグを組んで来た仲間達の仕事を輸出して行ける
訳だから、そこまで辿り付ければ 先ずはファーストステージ 成功!
と、言った所でしょう ♪
若干の軌道変更や修正はあったとしても、これまで同様に業務を続けて
行ける “路” ・・・
まだまだ この先、苦労は多いでしょうけどね~・・・
続く・・・