2019年度 イタリア ミラノ出張(その2)ドイツ編です。
工場長ニルスが快く、工場内を見せてくれるとの事・・・
ピストンの製作工程は まだ見た事がなかったので、胸が躍る
思いで案内して貰う事に・・・
いきなり確信をつく場面から始まりました。
この大きな箱の中に入っているのは、何かと言うと・・・
ピストンの鍛造ブランク材です。
以前にもお伝えした事があるかと思いますが、ヴォスナー社は
イタリアにピストンの鍛造施設を持っており、その関係から
ヴォスナーグループの中でも イタイア支社の存在は非常に重要な
拠点として認識されています。
では何故、イタリア支社がそこまで重要視されているか・・・
O・Zレーシングホイール本社工場にも ホイールの鍛造施設が
ありますが、通常 この鍛造施設を所有している企業と言うのは
意外にも殆ど ないんです。
イタリアにあるヴォスナーピストンの鍛造施設は ヨーロッパ圏でも
大変貴重な存在で、実は沢山のピストンメ-カーが その鍛造施設に
ブランクピストンの製造を依頼しています。
そしてピストンに限らず、全ての鍛造製品に通ずる事なんですが
この鍛造技術次第で 製品の良し悪しが決まってくるので、ここが
本当に重要なポイントでもあり、故にドイツ本社とイタリア支社は
大変密接な関係にあるんです。
そんな鍛造ブランクピストンを 今度は機械切削して行く・・・
画像を見ればお解りな通り、まずはピストン下部から切削を
して行くんですね。
これは正直、 知りませんでした (-ω-)/
当然、車種によりスカートの長さや肉抜きなど、そのエンジンの
性質に合わせて 切削が行われます。
この段階ではピストントップ側の加工は まだ施されてませんが
そこの工程は ちょっと画像NGでとの事で、残念ながら今回は
お見せする事が出来ず 申し訳ありません <(_ _)>
ピストンピンホールの精密ホーニングを行い、ピストン本体の
切削工程はこれにて 概ね終了・・・
最後に一つひとつ バリを取る作業だけは人の手で行う必要が
あるらしく、同時に検品もしておりました。
写ってはおりませんが、カメラを向けたら皆さん はにかんで
シャイな笑顔を見せてくれたのが とても印象的でしたね (^^ゞ
出来上がったピストンに モリブデンコーティングを施して
車種やピストン径、圧縮の仕様など 間違いが起こらない様に
しっかりチェックを受けて梱包されます。
鍛造工程だけはイタリアで行われてますが、それ以外の全ての
作業がここ本社工場で行われ コンプリートしていました。
出来上がった製品は 細かく棚に陳列され、出荷の段階で
ミスがないよう、配慮されているんだそうです。
何となくですが、ドイツの人達は 日本人と同じ繊細さを持って
いる様な気がして、それは製品にも反映されていると感じました。
そんな ヴォスナー製ピストン・・・
そもそも 私達サンクチュアリーの母体である NOBLESTが
このヴォスナーピストンの取り扱いを始めたのが、およそ3年前。
3年前のイタリア出張の際に ある人物から紹介され、イタリアの
支社長オノスクーリと出会ったのが 事の始まりでした・・・
どうして今に至ったのか・・・
その辺りの経緯を次回、正直ベースにてお話したいと思います。
(その6)に続く