アメリカ カリフォルニア州 ロスアンゼルスを拠点とし、モーターサイクルの
自社製シャシーを製造する、Radical Construction Manufacture USA
通称 RCM USA Inc・・・
我が愛機 RCMー001は 正しく、そのRCM USA製のシャシーとして
造られた シリアルナンバー 001・・・ 第1号車と言う定義である。
すなわち第1号車があるなら 2号車以降もあると言う事で、実際には
シリアル001から030の、延べ30台にてミニマム生産が行われた。
30台と決まっている台数だから 当然、30台限定生産となるのだが
この30台、全てが異なった仕様であり 全車輌が個性的なA16として
造られるが故、その製作プロセスは大変な作業でもあった・・・
簡単に言えば 重要構成部は法規制を順守した仕様のまま、関係性ない
部分を 一台一台カスタマイジングすると言う、セミオーダーメイド方式を
取り入れていると言う事・・・
例えば好みで、角型タンクや丸型タンク・・・ アッパーカウル 有り無し・・・
外装カラーリングは自由で、オーナー体型に合わせたポジション設定など
許された個性化への幅は 意外に広い・・・
三重県在住 H・K さんよりオーダー頂いた、このUS RCM A16-007も
いくつかのアップグレードを セミオーダー式にリクエスト頂いているもの・・・
この特注ステアリングステムも そのセミオーダーの一つで、OHLINS製
倒立フロントフォークに 対応する逸品となる。
コンストラクターとして、自社製シャシーの確立を果たした RCM・・・
今日に至るまでの前途多難な工程は、並々ならぬ道程だったが故に
中村や誠太郎にとっても、このA16への想いは ひとしお・・・
今 出来得る限りの全てを投入して、望んでいた。
ハードアルマイト処理が仕上がった、A16-007のステムシャフト。
Z系本来、ノーマルフレームのステムベアリング容量は あまりにも小さく
グレードアップした足回りや ハードな走行、また 長距離走行する事での
ステムベアリングと そのフレーム部位の消耗は、著しく早かった・・・
まずはここを、何とかしたい・・・
A16のステムベアリングは 大径化されたフレームヘッドパイプに見合った
大径で、それ故 ステムシャフトも一目瞭然で太いと感じられる印象である。
30台のミニマム量産なのだから、いくつか治具も新設される・・・
たった30台? と 思われるかも知れないが、A16を30台・・・ いや
正確には 001以外の29台を造るのだが、それはもう 十分大変な事で
これが今現在のサンクチュアリーと RCM USA Incに、見合った水準の
生産台数だと言えるだろう。
量産と言う言葉へのイメージは、あまり良い印象ではないのでは・・・
確かに・・・ でも 特別なマシンをミニマムで量産する事は、決して
その一般的 量産の概念には、あてはまらない・・・
むしろ良い機会だから、量産ならではの利点を知って貰いたいとさえ 思う。
安定して同じ加工や作業を施すと言うのは、逆に テクニカルな事・・・
安全性やトラブルシューテイングなどの済んだ、パーツや作業メニューを
同一で施して行ける事は、高い完成度に繋がると考えているからだ・・・
そんな量産用治具の導入は、もちろん スピードアップにも貢献する・・・
そして ほぼ同じものを30個、造り出す事が出来るのだから 必需品だ。
ロッドレス構造の、リアキャリパーブラケットストッパー・・・
毎回 こんなもんだろうと言う位置ではなく、常に同じ位置に取り付ける。
まぁ 溶接だけは、どれも全て同じと言う訳には 行きませんが・・・ (苦笑)
たった30台だけの、マシン・・・ US RCM A16・・・
いや・・・ これからは001を除いた 29台だから、あと29回・・・
全力投球して行きましょう・・・
(その3)に続く