こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
S・I さんの RCM USA A16R‐005(その3)です。
サンクチュアリーが誇る、空冷Z専用のオリジナルフレーム。
ロスに在るRCM USA Incが 現地カリフォルニア州政府から
正式なオートバイメーカーとして認可され、完全自社製シャシーと
して30台だけ限定生産された 高性能フレームです。
17インチホイール化に最適合させたジオメトリの設計フレームで
現地RCM USA Incに専属スタッフはおりますが、あくまでも
事務系のスタッフな為、実質的な作業は全て 自分達本店スタッフが
その都度 渡米して行っているもの・・・
設計はもちろん、全てサンクチュアリー本店が開発。
フレームの加工や組み立て溶接も 本店工場長である鈴木誠太郎の
手により造られていますので、言わば サンクチュアリーの技術と
ノウハウを集約させた結晶とも言えます。
A16のシャシーは、ここサンクチュアリー本店 PCのCADに
全て図面があり、シャシーの全方面寸法が画面上で解析できる様に
システム化されています。
オートバイを最初から一台 丸々製作するには、こう言う解析数値の
データベースが重要で、この技術はRCMのディメンション設定を
する時にも 大いに役立っている。
もの造りをする上で、また より高精度なシャシーを製作する上で
どうしても数値化されたデータ管理は必要で、何となくこんな感じ
と言った カスタムによくありがちな手法ではありません。
今回のA16R‐005は 5月完成と言う事で、時間もない事から
オリジナル外装パーツの製作を先に進める作戦・・・
最もテクニカルなアルミタンクのワンオフから 着手し始めました。
カットしたA5052プレートを アセチレントーチで鞣し・・・
加工関連業の皆さんは もちろんご存知だと思いますが、加熱により
マジックインキが飛んだら丁度良い頃合いです。
板金工具のイングリッシュホイールは もはや欠かせないツール。
手前にあるのはツールはプラシニングハンマーで、出番はこの後。
ちなみに このイングリッシュホイール・・・
あれば誰でも上手く出来るなんて、生易しいものではありませんよ。
やり方のコツを掴んでいないと上手く使えないので、結局はツール
ではなく メカニックの腕次第と言う訳。
A16は空冷Zのエンジンにフューエルインジェクションを装備
させた車両で、当然の事ながらフューエルポンプを取り付けする
構造が必要・・・
せっかくタンクをワンオフするんだから ポンプも内蔵式にしたい。
フットスイッチを踏むと低い速度で回るポジショナーに、部材を
くわえてクレーター電流で溶接・・・
フューエルポンプマウントに スリーブを溶接しました。
更にここから加工し・・・
こういう形状に・・・
インジェクション車の内蔵式フューエルポンプは、ポンプ自体が
キャブ車で言う所のコックも兼ねており、最も低く かつホースの
取り回しが有利な位置へ来るのが理想的。
フレームパイプが来る部分に逃げの加工を施して ポンプマウント
ボディの完成です。
ふたたび3本ローラーの出番で、今度はタンク上部ハウジングを
造るべく 曲げ込み・・・
この後まだ 沢山の板金を施すんですが、ひとまずタンクを構成する
上下3ピースのパーツが揃いました。
タンク下部プレートに底部を合わせ、先ほどのポンプマウントを
後方に取り付けるべく 位置を合わせて溶接します。
出来ました!
タンク底部 最も低い位置で、スロットルボディへのフューエルホース
取り回しが相性良い位置に フューエルポンプが来るレイアウトです。
フレーム製作台 Tスロットテーブル上に、フレームを固定したまま
ワンオフアルミタンクを造り上げてしまう作戦・・・
タンクはこの後 またいくつか板金加工され、側面部位を溶接されて
成形されるのですが、同時進行でシングルシート構想も進んでおり
来週には外装パーツが 概ね完成する予定!
うぅ~~~む・・・・・
にわかに想像 つかんな~・・・ ( ̄▽ ̄;)
S・I さ~んっ!
急ピッチ進行してますんで、何とかブログ&フェイスブックの方も
週1ペースで更新する ”つもり” ですからねーっ! (;^ ^Aツモリ