こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
秦野市在住 H・Aさんのマシンが完成し、間もなく納車の予定。
ご紹介しましょう・・・
RCM-506 KZ1000MK‐Ⅱです。
今回はこのRCM-506をモデルに ちょっと趣向の違ったお話を
したいと思います。
Z1やZ1‐Rもそうですが、空冷Z系の中でも このMK‐Ⅱは
最も入手が厳しくなった機種です。
そこそこな程度の中古車でも 300万円前後の値段がついている
MK‐Ⅱですが、RCMの様に 足回りや吸排気などを全て一新する
コンプリート車の場合、ピカピカな足回りや吸排気系が付いている
高額な中古車をベースにするのは 能率の良い事ではありません。
むしろ 全体的にある程度痛みがあって、その分値段が安いと言う
いわゆる【ベース車】の方が 価格的に絶対有利と言う訳なんです。
ところが そのベース車が手に入らない・・・
だからと言って300万円の値がついてる立派な中古車をベースに
製作なんかしたら アッと言う間にとんでもない総額になりますから
やはり100万円位のベース車でないと とても成り立たない・・・
そのベース車が枯渇してるから、困ってるんですよね~ (;^ ^A
ベース車とは言え エンジンに致命的ダメージがあってはダメ・・・
もちろんキッチリ オーバーホールは施すんですが、水が混入して
内部が錆でロックしてるとか、他にも劣悪な痕跡があったりしたら
それを直すのは容易な事ではありませんから、ベース車と言えど
ある程度状態を選ぶ必要があるんです。
フレームも生産から40年以上も経過してるZ系では、部分的に
へこみがあったり、一部小さなパーツが欠損してたりする個体が
多いんですが、そう言った部分は きれいに加工修理をしてあげて
上手に復元出来るもの・・・
問題はヘッドパイプの角度を変え ドラッグレーサーの様に大きく
ローダウンされたチョッパー風のフレームがあり、こういうのだけは
とてもじゃないですが正確に直すのは無理ですから、ベース車と
しても価値がないと言えるでしょう。
フロントフォークもホイールも ブレーキもステムも、そして
マフラーだって交換する・・・
取り外したパーツは不要になるのに ピカピカな中古車をベースに
するのは意味がない事。
足回りやマフラーは痛んでてもいいので、その分価格の安い車両を
ベースにするのがベストなんです。
そして カスタム・チューニングのメニューはゴージャスな内容で
仕上げてあげる!
いつも言っている 世界選手権アイテムを惜しげもなく投入するし
アップグレードで沢山の加工や オプションパーツを装備するなど
これぞ RCM!と言った造り込みで仕上げるんです ♪
このRCM-506は ノーマルカラーのネイビーを若干濃いめでと
H・Aさんから指定があり、細かい所ですが そういう些細な部分も
リクエスト通りになる様に配慮しています。
オーナーだけの特別な一台・・・
世界に一台のオーダーマシンを造ってるんだから、とにかく細かく!
こういうのは 当たり前の事だと思う (^^)/
こうしてRCMとして新生した車両は コンディションの良さも
さながら、何と言っても魅力は その動性能にあります。
ノーマル車と乗り比べれば 誰にでもわかるその違いは感動的な
もので、走る・曲がる・止まるの3原則を数段アップさせたもの。
先のレースじゃないですが、その気になれば 並みいる水冷マシンと
だって かなり戦えるマシンになるんですから、ワクワクして来ると
いうもの・・・
スポーツバイクとしてのエッセンスを 現代水準にまで引き上げる。
でも、元々のマシンは1980年頃に生産された 空冷エンジンの
旧車って言うエピソードが たまらなくマンガ的で (^_-)-☆
MK‐2に限らず、Z系の魅力って この空冷2バルブエンジンに
あるんだと つくづく感じます・・・
やらせではない空冷フィン・・・ 2バルブ4気筒特有の音・・・
バイクは機械ですが、単なる機械とは思えない この独特の存在感は
この空冷エンジンのキャラクターに在るんだと思う。
そんなバイクを、今はどうしても見かける事がなくなりました・・・
中村はストーリー性のあるバイクが好きなんで、どうしても空冷Zに
気持ちが行っちゃうんですよね・・・ (^^;)
これから増々厳しくなるであろう 空冷Z系車両・・・
こんなに魅力的で面白く 飽きる事ないバイクは、そうそう無い
ですから、Z系RCMを少しでも多く世に出したい!と、更なる
強い決意を固める 今日この頃でした。
H・Aさ~ん!
大変お待たせをしましたが、年内納車 行きますからね~っ!
お父さんに取られない様、注意してね~ ( ̄▽ ̄;)