こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
ここ数ヵ月の間で2度ほど、スタジオ撮影を行いました。
全てのRCMをスタジオに持ち込む事は不可能ですが、中村を始め
スタッフやデザイナーなど、複数人の推薦が集まったマシンに限り
スタジオ行きする事になっています。
それらはオーナー車だけでなく、RCMクラフトマンシップとして
製作されたマシンも対象で、今回ご紹介をする CB1100Fも
そんな中の 一台・・・
デモストレーション車両として製作された、このマシン・・・
ご紹介しましょう。
RCM-460 CB1100Fです。
デモ車両として製作された、RCM-460 CB1100F。
シリアルナンバーが460と 少し前の番号なのは、このマシンが
1年以上前から製作が始まっていた事を物語っています。
と! 言えば、 カッコよく感じるかも知れませんが、早い話し
1年以上 掛かっちゃったと言う事・・・ (;^_^A
とんでもなく長い製作期間が掛かってしまったのは、ひとえに
パーツ入手に 苦労したが故の事・・・
とにかくエンジン内部パーツが ことごとくメーカー永久欠品で
手に入りませんでした。
時には倉庫の片すみを・・・ 時にはオークションと睨めっこ・・・
そんな塩梅で 何とか組み上がったエンジンでした。
クランクシャフトは曲がりを点検 修正し、ダイナミックバランス。
ジャーナル部をラッピング処理して 新規にメタルを選択しました。
ミッションは、もう一機あった部品取りと合わせて いいトコ取り。
ピストンはイタリア経由ヴォスナーで、ドイツ本社ラインナップの
CB1100F用ピストンを用い ボーリング。
KITに付属している スプリングスティールヘッドガスケットを
使用して コンプリートしています。
メーター回りも大変、苦労しました・・・
まずタコ&スピードメーターを 計器専門の業者さんに依頼して
文字盤を新品とし、内部をフルリビルド・・・
更に外側のメーターケースなど とにかく新品 or 状態良い中古の
組み合わせで これなら!と言うコンディションに仕上げています。
シートも、何度も泣きました・・・ (^^;)
スポンジの成型を 担当メカ自ら削って、粉まみれになりながら
シート業者さんに皮を張って貰ったら、出来上がって来たものが
全然違うイメージのもので、もう一度皮を剥いで 再びやり直すと
言った工程が のべ3回も続いてしまって・・・
時間はかかるは、都度お金はかかるは、おまけにギリギリ・・・
いや~ 泣いた事 泣いた事・・・ ( ̄▽ ̄;)
RCMとしての認定要素に、サンクチュアリーがプロモーション
しているオリジナルパーツを使用すると言う 概念があります。
ところがこの CB‐F用パーツと言うのが ラインナップ少なく
例えばこのステアリングステム等は SCULPTURE製の Z系用を
流用したもので構成しました。
ヘッドライトステーだけはCB‐Fのルックスに合う様、わざわざ
ワンオフで削り出してますけどね。
ステムが SCULPTURE製Z系流用となれば、そこから先の構成は
おのずといつもの組み合わせで フィニッシュする事が出来ます。
スイングアームも SCULPTURE製 Z用を流用した、ブロックピース
スタビライザー装備の逸品で、フロント同様にフィニッシュ・・・
基本的にRCMらしい、RCMたる造り込みで仕上がっています。
750Fならまだしも、1100Fはパーツ入手面が厳しいから
デモ車両とは言え 今後、安易な気持ちで手を出すのは控えようと
言う見解になりました・・・
CB1100R・CB1100Fの RCMクラフトマンシップは
このRCM-460を最後に 今後、造る事はないと考えています。
寂しい話かもしれませんが、RCMとしてオーバーホール完成度や
全体のクオリティー水準をキープできない位なら、造れない・・・
いや、むしろ 造らない方が良いと判断した為でした。
一緒に担当した 佐々木メカ。
リアタイヤでつま先が隠れてますが、背伸びしています・・・
何でか わかりません (;^_^A
RCM-460 CB1100F。
現在HPの RCMクラフトマンシップのコーナーにて、販売を
しております。
本店のショールームで展示しておりますので、現車を見て頂く
事も可能ですが、価格も¥468万円と だいぶ高額ですから
本当に欲しい方が現れるまで しばらくあるかと思います。
何か・・・
俺が 欲しいかも・・・ (^^ゞ