午後の 筑波サーキット・・ 初夏を 想わせるような、そんな暑さが 増す・・
強い日差しが アスファルトに 照り返され、只でさえ 寝不足な 三人の体力を 奪った・・
それでも 決勝の瞬間は、もう すぐ目の前まで 来てるのだから、弱音は 吐けない・・
この 三か月間の 成果が・・ これから 見れるのだから、最後まで 上田を支えたい・・
今日と言う日を・・ おそらく 忘れる事は、永久に ないだろう・・
初めて務めた レースメカニック・・ 自分達の レース・・ サーキットに 一日、入り浸る・・
全てが 初めて・・ 初体験・・ だから、忘れられない 一日に なる事だろう・・
よ~く 覚えておいてほしい・・ これから続く 厳しい戦慄の日々が、幕を開けるのだ・・
最強・最速 最高峰クラスでの・・ 真の 戦いの日の、幕開けなのだから・・
全車・・ ウォーミングアップランを 終え、一斉に スタート!・・
水冷車 最速クラス ハーキュリーズ と、空冷車 最速クラス スーパーモン EVO の
最強 2クラスの 混走レースが 今・・ 激しい火ぶたを 切った!!・・
強烈な パワーを誇る、ハーキュリーズ マシンに 混じり 走る、上田と 1号機・・
70年代に 生産された 空冷Z だと 言う事を、ハンディだと、主張は したくない・・
いつだって、Z が主役で いてほしいから、厳しいクラスでも Z で 挑戦して来た・・
水冷車や 近年ネイキッドマシン達と、対等に 走れる日を 目指し続けて来たのだ・・
上田には 負担を掛ける・・ 只でさえ アドバンテージの 取りずらい、空冷 Z・・
しかも、調子を崩した レーサーでは、いかに 上田と言えど 苦戦は 必至である・・
それでも・・ 上田は 諦めると言う事を 知らない・・ 今までも ずっと、そうだった・・
ストレートで 圧倒的に 引き離されても、コーナーの進入で 旋回で、追い付こうとする
諦めない その走りに、逆転ファイターで あった、かつての・・ あの姿が 重なり・・
思わず・・ あの頃を 知る、中村の 目がしらも、熱くなった・・
レースも 終盤に差し掛かり、ここで強者、Kz ファクトリー 松原選手の 後ろに 付く・・
この、Kz ファクトリー 松原選手は、これまで 長きに渡り、この 空冷 最強・最速クラスに
毎回 参戦し続けて来た、重鎮・・ マシンも速いし 乗り手も 素晴らしい 強者である・・
そして何より、スーパーモン EVOで、上田と同じ 唯一の 空冷 Zレーサー でもある・・
果敢に攻める 上田・・ 前向きな攻めが、運気を引き寄せる 事だってあるのだ・・
クラスで 唯一・・ 2台だけの 空冷 Zで、テール to ノーズの バトルと 化した・・
どうやら・・ Kz ファクトリーの マシンに、何か トラブルが 発生している様である・・
ラスト三周で 起こった この流れ・・ 同じ 空冷Z 同士・・ いい勝負を したい!・・
そして・・
からくも、松原選手を抜いて、上田と 一号機が 二位で ゴールインした・・
一位は、ムーンフィールドの ゼファー1100・・ この日、圧倒的な速さを 見せつけた
空冷マシンであった・・ そして 三位は、Kz ファクトリーの Z-1と言う 結果である・・
こうして・・ スーパーモンスター EVOLUTION クラスの 戦いは、幕を閉じた・・
「おめでとうっ!・・」 セカンドジェネレーションズ達の 顔に、笑顔が 戻って来た・・
結論から 言えば、上田の ライディングに 助けられる形の レース展開であった・・
Zレーサー NEW1号機の 熟成が遅れたのは、明らかに メカニック側に 原因がある・・
初めて 自分達のレースとして 体験したのだから、わからない事も 多々 あったろう・・
レースウィークに 入ったら (もう 時間はないっ!)と、認識してくれる様になれば いい
誰にでも、最初はあるのだから・・
大切なのは、経験した事から 学び取って行く事・・ そして・・
助けられ、お世話になった 沢山の人達に 対し、感謝を 忘れない事である・・
サンクチュアリー 本店 レーシングの 復帰 第一戦は、こうして終わった・・
振り返れば、反省点は 山積み・・ メカニック達も、疲労感が 拭えないでいる・・
だが・・ 久しぶりの この 高揚感は・・ なかなか 悪くはない・・
レギュレーションから 問題を発し、色々な事が あったが、結果として、最強・最速・・
最高峰のクラスで 腕を磨く事は・・ 遅かれ早かれ 必要に なったのであろう・・
今 正に・・ 一つの目標が 見え初めて来た・・
ノーマルフレームベースの RCM - Z で、公式記録・・ 59秒台を 目指すのだ!・・
・ ゼッケン “39” の挑戦は まだ・・ 始まったばかりである・・
・ 次回 エピローグにて、決勝の動画を お見せします・・。