ここに来て 新たに 投入された、NEWエンジン だったが、今一つ 調子が上がらず・・
この日、走行枠を 4本取って、早朝から パドック入り・・ 最後のテスト走行に トライ・・
想定していなかった 悪い流れ・・ この流れを 断ち切らねば この先 展開は 厳しい・・
何せ・・ シェイクダウン時の 方が、全く もって、タイムが 良かったのであるから・・
NEWエンジンの 開発が 遅れた?・・ 電装系のトラブルは 運が悪かった?・・
そんな事を言う レースメカは、いないだろう・・ 全ては、自らに原因が あると言うもの・・
旧車を ベースとした アマチュアレースで あっても、レースはレース・・ 違いはない・・
相変わらず、短いスパンでの ピットインが 続く・・ 既に この、二本目の 走行枠も
時間が少ない・・ 何とかなるだろう・・ と 言う 思惑が、徐々に 消え始めていた・・
例え残り 5分でも 無駄には出来ない・・ 思い付く・・ 費やし得る 作業、全てを 施し
コースに 送り出す・・ 上田の 必死な姿勢に、わずかでも 応えたいのであろう・・
中村も・・ 正直なところ (何か、おかしいな・・) と、思いはじめていた・・
シェイクダウン時と、その次の テスト走行では、楽に 連発していた 0秒台が、どうにも
出ずらいのだ・・ 上田も、疑問を 感じながら 悩んで 走っている様に 見える・・
元来・・ 70年代に生産された 空冷 Zで、0秒台を連発する!と言う 行為そのものが
既に 容易な事ではないが、以前の走行より タイムが落ちるのは 明らかに おかしい・・
結局・・ 何も 掴めないまま、午前の走行枠を 使い果たしてしまった・・
この後、午後の走行枠が 2本 残っている為、もはや そこに 集中して行くしかない・・
ツバサが、前後タイヤの 交換に走る・・ まだ 諦める気は、さらさら ない様だ・・
畔栁と大地は、エンジンの 交換に 踏み切っていた・・ まだ この、NEWエンジンが
ダメと決まった 訳ではない・・ が、ここで大きな 決断をしなければ、次の ステップが
踏めない!と、判断した様である・・ まさか・・ 持って来ていた 練習用エンジンに
本気で 積み替えるとは 思っておらず・・ 少々 驚かされたが、彼ら セカンド世代達の
ここに来て ようやく 育まれ始めた、レースへの 情熱を、尊重してやりたいと 感じた・・
作業が 早いっ!・・ しかも 見ていて、正確かつ 要点を得ているのが、よくわかる!・・
その昔・・ Zレーサー2号機の エンジンが 予選で ブローし、決勝までの 時間の中で
エンジンを積み替えて 勝利を 掴み取った事があるが、その時の 換装時間よりも
はるかに 早いっ!・・ (やるじゃねーか!・・) そう 感じぜざるを得ない 光景だった・・
わずか、1時間半ほどで フィニッシュ・・ 換装と 同時に、キャブや 点火系の 調整、
そして 前後タイヤの交換まで こなし切った・・ 日々の 一般業務の中で、鍛えられ
身に着けたものが、形になって いるのだろう・・ 流れが変わる事に 期待をしたい・・
上田も 諦めに対し、屈する事をしない・・ まるで、かつての・・
あの、サンクチュアリー 本店レーシング の 上田隆仁が、舞い戻って来たかの 如く・・
この・・ 光の射さない 迷宮から、何としても 抜け出さねば・・
繰り返される トライ&エラー・・ 4本目の 走行時間の中で、何かを 掴めたのか・・
だが・・ 残念ながら、ベストコンディションには、遠く 及ばず・・
既に、西陽に 染められ出した コース上を・・ 今はただ 目で追うだけ・・
全ての走行枠を 使い切り、この日の ライディングは 終了した・・
疲れが、どっと 込み上げて来た様だ・・ 悔しさ・・ 情けなさ・・ そして不安・・
様々な感情が、交錯する・・ このまま、スーパーモンスター EVOLUTION で
近年の ネイキッドマシン群を 相手に 戦えば、苦しいのは 間違いないだろう・・
サーキットを 後にし、帰路に つく中・・ 何が 要因なのかを 考えた・・
レース直前 だが・・ まだ わずかに 時間はある・・ やれる事を やろう・・
昨年の後半より スタートした、“39”の挑戦 再び・・
RCM-240 新生した、Zレーサー NEW1号機 と、ライダー 上田隆仁・・
そして 新世代・・ セカンドジェネレーションズによる、初の レース参戦・・
5月12日・・ 筑波サーキット にて ついに・・
チューナーの 威信と ライダーの プライドを賭けて、 闘志が 激突する!!