筑波での練習・・ 2本目の 走行枠の中で 叩き出した この日、ベストの ラップタイム・・
車体もエンジンも、まだ 課題が山積みの 中で、良くやっていると 思える タイムだった・・
どうやら、かつての 旧1号機を 凌駕している・・ そんな ポテンシャルを、感じられる・・。
2号機での レースが 最後だった事も あってか、なかなか ノーマルフレームベースでの
マシンの性質に、違和感を感じてしまう 時がある・・ 今は少しでも、数多く 練習走行を
重ねたい所なのだが、何と言っても エンジンが 決まらないだけに、苦しい展開である・・
ともあれ・・ この日の成果も、まずまず・・ 心配していた 練習用エンジンの フィーリングも
確認できたし・・ 何より 足回りのセットにおける 方向性が 見え始めたのが、良かった・・
上田も、これでようやく イメージトレーニングに 入れそうだ と、少し 安心した様である・・
なかなか良い形で、筑波を 去る事が出来た・・ こうなれば 早々に戻って、エンジンの
続きに 入りたい所だ・・ 順調な時ほど、魔がさす!と 言うだけに、ここは手堅く 慎重に
事を 進めておきたい・・ 復帰第一戦まで 残すところ、あと 一月あまり なのだから・・
NEW1号機 専用の 決勝用エンジンは、従来通りの ローラーカムチェーン方式である・・
シリンダーヘッドの 加工が、出力アップにおける 需要なファクターと なるだけに、畔柳も
付きっきりで、作業を進めていた・・ だが、通常の業務も こなしつつで、日々の疲れや
プレッシャーに、息の詰まる 思いな様だ・・ とにかく今は 決勝の当日に 向かって・・ と
自分に 言い聞かせるが 如く、作業に 勤しんでいるが、折れかけた 心に 薬は効かず・・
へとへと状態で ポート加工を 続ける 畔栁を、見るに見かねたのか、研磨担当の 菊地が
代わるよ!・・ と 声を掛けた・・ 確かに 仕上げ工程なら、菊池に任せた方が 良い・・
菊地は ここまで、NEW1号機 製作に 色濃く参加を して来た訳ではない・・ それでも
研磨作業に おいては、出来るだけの事を 手伝うよ!と、言ってくれて いたのである・・
部門は違えど、毎日 油や埃に まみれ・・ 汗して働く 者同士・・ 心意気が うれしい・・
ところが 突然、舞い込んできた 一報・・ この一報に より、事態が大きく 急変する・・
4月の 中旬・・
それは・・ NEW1号機の フレームワークが、モンスター EVOLUTION クラス での
現行レギュレーションに 引っ掛かっている!・・ と、言う 情報であった・・。
不安に 駆られながらも、筑波 T・O ・T の 運営関係者と、レギュレーションの 件で
確認をとる・・ (そんな訳 ないだろうっ!・・) と 想いながら、告知された 結果とは・・
何と・・ レギュレーション違反っ!・・ ここに来て、急転直下の 出来事であった・・
信じられない 面持のまま、フレームワークを 改めて 見るが・・ 確かに ダメである・・
問題となったのは、この部位・・ リアショックの 取り付け部を マス集中化 させるべく
ピボット側から 上に伸びてくる フレームの 一部を、角度変更している 部分である・・
かつて、サンクチュアリー 本店レーシングが 旧1号機で、モンスターEVO クラスを
戦っていたのは、かれこれ 7年も 前の事・・ 当時の 感覚のまま、フレームの加工を
何の躊躇もなく 行ってしまったが、現行の レギュレーションでは、この部位の 加工・・
いや 正確には、この部位の骨格変更を してはならない 規定となっていたのである・・
結果としては “ このままでは、レースに 出走する事が 出来ない!・・” と、言う事・・
中村の、レギュレーションに対する 認識の あまさから、今回 この様な形を 迎えてしまい
今は只・・ ライダー上田を はじめ、これまで 必死になって、マシンに 取り組んで来た
セカンドジェネレーションの メカニック達に 対し、本当に 申し訳ないと、痛感している・・
絶望に似た 感覚と、悔しさが・・ どっと 湧き出て来た・・
このままでは、レースに 出れない・・ ここまで 応援してくれた、サポート企業さん達の
気持ちにも 応えねば・・ 賞典外などと言う 方法ではなく・・ 何か道は ないものか・・
いや・・ ひとつだけ・・ 道が たった、ひとつだけ あるっ!・・
空冷最強・最速 最高峰 クラス・・ “ スーパー モンスター EVOLUTION ” ・・