39の挑戦が、再び 始まる・・ この3か月間・・ 全身全霊の力を尽くし 時間を費やして来た
RCM-240 Zレーサー NEW1号機が、この日 ついに、シェイクダウン されるのである・。
早朝の 筑波サーキット・・ まだ 静寂が漂う 厳かな時間・・ 準備万端と 信じたい・・。
少しして 乗り手が到着・・ もちろん かつて、 Zレーサー 旧1号機 & 2号機を 駆り、筑波で
果敢に 記録に挑んだ、上田隆仁である・・。 新生1号機を 実際に見るのは 今日が初めて・・
遡る事 7年前・・ あの日、サンクチュアリー本店レーシングに、初めて上田が来た時と 同じ
光景を見る・・ そんな瞬間であった・・ あれから随分と 時が経ったんだなと、改めて思う・・。
ふたたび 筑波に還ってきた 1号機・・ 本店の レース活動、全ての 原点が ここにある・・。
NEW1号機に 跨り、その 感触を確かめる 上田・・ 今更ながらだが 新鮮なのであろう・・。
畔柳 ツバサ 大地・・ セカンドジェネレーションズに とっても、緊張 強いられる 瞬間だ・・。
影でいろいろ 酷評されて来たのは、本人達が 一番よく 知っている事・・ ゆとり世代 だの
ガッツが ないだのと、上の世代から 信頼をされずに、厳しい評価を 受けて来た 彼らだが
この数か月間、共に 過ごして来た 中村には、彼らが逞しく なり始めた事が よくわかる・・。
かつて 最も 火花を散らし、最強のライバルとして 苦戦を強いられた、ブルーサンダースの
代表 岩野氏・・ NEW1号機を 見ながら、彼も何か 想いに 耽っているように感じた・・。
共に 戦い抜いた 強者達・・ 自然とまた、あの頃の役者が 揃う事に 期待をしてしまう・・。
さて・・ 如何なるものか・・ 上田も 中村と同じ、面持だろう・・。 何か いつも こうだった・・
ファースト世代の メカニック達だって、それこそ最初は 怯える様に 接していたのだから・・。
どうやら、1本目に 出るようである・・ 中村自身・・ マシンの六割方を 造った人間として
もちろん 緊張はしている・・ だが同時に、胸を 躍らせる 高揚感の方だって 強いのだ・・。
一発で 行けっ!・・ お前達 2世代目にも、情熱は あるんだと、皆に 見せてやれっ!・・。
エンジンに魂が入り、そして このマシン 本来の主が 跨る・・ いよいよ 一本目の走りだ・・
復活を遂げた NEW1号機・・ これから 始まるであろう、永き挑戦の 幕開けである・・。
マシンのエキゾースト音が、遠くに 聞こえる・・ ここからは、ピットで待つしか 出来ない・・。
上田の Zレーサーライディングが 始まった・・ タイヤ温度の上昇に伴い、ペースアップ・・。
この瞬間・・ この時 この姿を、どんなに 待ち焦がれた事か・・ ライダー上田と 1号機・・
7年前の・・ あの日を 思い出さずにはいられない・・ あの日を 知る者は、今 この場では
中村 一人だけに なってしまったが、また再び 始まったのだと言う 実感が 湧き上がった・・
だが 数周で ピットイン・・ 早速何か、切れ味が悪いのか・・ 中村には 懐かしい光景でも
セカンドジェネレーションに とっては 全てが初めて・・ 何もかもが、今 起こっている現実!・・
問題は 一つ一つ、解決して 行くしかない・・ 体で 覚えながら、進むしかないのだ・・
39の挑戦が 再び 始まった・・
上田と セカンドジェネレーションズとの、真剣勝負である・・。