39の挑戦 再び・・ 第17回 いよいよ車体を 本格的に組み上げて、仕上て行く 段階だ・・
工程は ナーバスとなり、これまで以上に メカニック達 個々のスキルが 要求されるだろう・・。
エンジンセクションを 任された 畔柳も、初めての試みに 不安を 隠せない様だ・・。 かつての
ファースト世代時代に、リーダーとして活躍した 笹賀と、日々 語り合う事が 多くなって行く・・
中村も笹賀も、そんな時 いつも思う・・ (むしろ お前達の方が、メカニックとして 技術的には
オレ達よりも 才覚に、恵まれているよっ!・・) と・・。 ようするに 足りないのは、キャリア・・
そして、勝利に対する 執着心だ・・ 結局の所、一度くらい 悔しい負け方を 経験しないと
本当の意味での、強いメカには なれないのかも知れない・・ 出来れば避けたい 事だが・・。
アルミと言う、材質的アドバンテージを 有したものでも、軽量化では 決して 手を抜かない・・
普段からも そうだが、一生懸命!と言う 行為から生まれるものが 必ず あるのだから・・。
用意が整った所で、エンジンを搭載する・・ 前後サスに 初めて荷重が 掛かった瞬間だ・・。
これは、カーボン製の メーターパネル・・ 丈夫でありながらも 大変軽い 優秀なアイテムで
レーサー2号機でも 使用していたもの・・ 栃木県小山市に 在る SDアルティス製である・・。
少し前に 千葉で開かれた、カスタム業界の 会合・・ そこで アルテイス代表の 鈴木氏から
受け取ったものである・・。 SDアルティスは、ご存じな方も 多いだろうが、国際ライダーの
黒川選手をはじめ 松田光一選手 など、T・O ・T の 第一線で 活躍している ライダー達を
バックアップしている事でも 有名な存在・・ そんな アルティス代表、鈴木氏の 好意により
今回もまた NEW1号機用にと、提供して もらったもので、ありがたい 援護射撃である・・。
早速 大地が、メーターパネルの 少加工と 取り付けを 試みる・・ ここも 繊細な箇所だ・・。
” RCM-240 ” 新生 Zレーサー1号機の 為の、正式 シリアルナンバーを 打ち込む・・
タコ・メーターは、カワサキの純正品を流用・・ 1990年代に 生産された レーサーレプリカと
呼ばれる車種から 選択した・・。 ボディが 樹脂で出来ている為、非常に 軽量な点が良い・・
もちろん、オーバーホールを施し、レッドゾーン領域の 書き換えを 行った上での 採用だ・・。
一方で こちら・・ 石田課長が 貼っているのは、O・Z レーシングの リムステッカーである・・。
石田は現在、ノーブレスト 本社事業において、イタリア O・Z レーシングホイールの 管理を
一手に任されている 専任者・・。 今回 レーサーと 言う事で、世界選手権で よく見られる
リム3か所貼りの 仕様に していると言う訳だ・・。 ちょっとした事だが、レーシングの世界観を
より 強調したい!・・ この気持ちは 皆 一緒で、故に NEW1号機に 想いを込めている・・。
やや 遅れている 感がある セクション、足回り・・ 担当任命された メカは、両角ツバサ・・。
細かい作業に 焦りは禁物・・ 先に仕上がった スイングアーム用の、UPグレードパーツ・・
SCULPTURE専用の 超軽量、ジュラルミン ピボットスリーブを 製作している 所である・・。
航空機素材である、ジュラルミン A7075材から 削り出した ワンオフの ピボットスリーブを
強靭な ハード・アルマイト処理を施し、ニードルベアリングの 摺動部位には、S45C材から
同じく 削り出したスリーブを、軽圧入すると言う 構造・・。 高い精度が 要求される作業だ・・。
出来上がった SPECIALスリーブ・・ 持てば すぐわかるが、従来品に比べて 非常に軽い!
軽くても 弱いんじゃあ・・ と ならない為の、A7075材 選択・・ 時間とコストは 掛かったが
その分、良いものが 出来ている・・。 ツバサも めずらしく、満足気な表情を 見せていた・・。
それでも まだまだっ!・・ 軽量化の追及は、こんなものでは ない!・・。 スイングアームに
装備される パーツの、肉抜きを アドバイスする・・。 やれるだけ やろう!・・ 行ける 所まで
行くぞっ!・・ 2号機をも 凌駕する・・ そんな1号機を 目指すのだから、妥協は しない・・。
そんな折・・ 時を 同じくして、また 強力なアイテムが 届いた・・。 ご存じ G‐TRIBEの 代表
プロフェッサーこと 戸田 隆 氏からの、クロモリ製 ピボットシャフト&リア・アクスルである・・
レース・レギュレーション上、チタンのシャフトは 使えない・・ そんな背景からか、近年かなり
注目されつつあるのが、この クロモリシャフトであった・・。 対応力性や 引っ張り強度など
単体強度バツグンのクロモリ!・・ 金属の比重率から来る その重量においては、軽合金に
譲るものの、捻じれや 変形においての 強度は、クロモリに 軍配が上がる・・。 レースでは
この シャフト廻り強度は 効果絶大で、前々から 気になっていた アイテムの 一つだった・・。
早速、G‐TRIBE製 クロモリシャフトを使って、スイングアームや ホイールを 組み付けた・・
締め込んでみて、カッチリ感が来るっ!・・ 伸びが少なく 変形に 強いと言うのが、実感として
あるようだ・・。 この クロモリシャフトは、非常に コストパフォーマンスに 率い出た、優秀な
パーツだと 言えるだろう・・。 ライダー上田の 感想を、早く 聞いてみたい ところである・・。
3月に入り、NEW1号機の シェイクダウン日程が 決定・・ 緊張感が より 高まってくる・・
上田にとっても、初のライディングと なるだけに、気持ちの上での 不安は 多少あるはず・・
時間が 逼迫し始めた・・ セカンド ジェネレーションズ・・ フル回転で 行くぞぉっ!・・。