少し前の事・・ 常日頃、フレーム修正で おなじみ、LEGO神戸の 樋口氏が来店・・。
一本の Z系フレームを、レーザー測定し ストレッチを掛けてもらうべく、引き渡しました・・。
日々続く 過密業務の合間を縫って 渡された このフレーム・・ トップバッター 樋口氏に まずは
託す事に・・。 この たった一本のフレームから 全て始まる・・ そう思うと 気持ちも昂ります・・。
後日、無事に 戻って来た、カワサキ KZ900の ノーマルフレーム・・ 正に このフレームこそ
新生 サンクチュアリー Zレーサー1号機 の、骨格となるべき フレームだ・・。 書類がきちんと
付随する このフレ-ム・・ 実はライダー 上田隆仁が オーナーとなる 物で、その趣旨こそは
[ 改良型 New Z RACER 1号機 による、モンスターEVO クラスへの 参戦 ] であった・・。
2005年 6月・・ まだ あの頃、レース名が ” T・O・F ” で あった時代の ワンシーン・・。
どうしても 空冷Z!と、拘った 中村の想いを 中心に、 Zレーサー1号機は 輝いていました・・。
当時の、サンクチュアリー 本店 RACING の クルー達・・ 左上から、現コウガ店 代表の立入
本店 店長の星、マシンを 押しているのは 笹賀で、その横にいる 子供は 中村の息子です・・。
現在では、レッドイーグル店の 代表を務める 裕也に、本店の ベテランメカ 誠太郎の姿も・・
みんな、まだ あどけない顔立ちが 印象的・・ 旧き良き・・ Zレーサー1号機の 時代でした・・。
「もう一度・・ もう一度だけ 走らせたい・・」 久しぶりに 得た モチベーションが 込み上げます・・
走行中に、何の前ぶれもなく 突然 折れてしまった、ハンドルバー・・ そこからの 大転倒・・。
不慮のトラブルでは あったが、競技に 参加する者として そこに 固執する気は 一切なし!・・
むしろ・・ ライダー上田を 負傷させ、大切にしていた Z レーサー1号機を 失った事に 対し
車体各部に 発生していた 微少なクラックを、事前に 見つけられなかった 我々に責任あり!と
当時の チームスタッフ達 関係者全員が、自らに厳しく 戒律していた事を 思い出します・・。
よもや、1号機を復活させるなど 到底 考えなかった事だったが、こうして再び 取り組むとは・・
やるからには 初代 1号機を超えるべく、ポテンシャルUPを 果たしたい・・。 今から14年前に
造った 1号機を、2012年の今日、持ち得る技術の 全てを注いで、新生 させてみせる!・・
たった一本の フレームに、強い情熱を持って 向かい合える この想いは、正しく ひとしお・・。
本来であれば、かつて使っていた フレームを 再利用 したかった所だが、そのダメージは
あまりにも酷く、フレーム変更を 余儀なくされた New 1号機・・ レベルUP を 果たしつつも
当時 使っていたパーツで 使える物に関しては、わずかであっても また 戻してやるつもり・・。
逆に、仕切り直せる 部分には 思いきった試みを 加えます・・。 ノーマルフレームで 最大の
ウイークポイント、ヘッドパイプ LOWER 部位・・ いかに 強化するか・・そして 軽く出来るか・・
造り込みます・・。 「 強く そして軽く!」 と 言うなら、構造で 勝負するしか ないですから・・。
材質は SS400 の 1.6mmプレートを 用い、捲り穴 バーリング加工を 施して行きます・・。
上田の フルブレーキングに 耐えられるべく、ヘッドパイプ LOWER への 補強は、ただ単に
補強材を 数多く追加して行く、と言う 手法ではなく、高効率を 追求した構造で 望む事に・・
何と言っても 上田は、遡る事 2006年には、一号機で ” 1分1秒482 ” と言う タイムを
既に 叩き出している・・。 あれから 7年弱・・ タイヤも 進化し、走りのレベルも 大きく 向上を
果たしているであろうから、こちらも自ずと 進化を 遂げて行かなくては、なりません・・。
ノーマルフレームを、どこまで昇華 させる事が 出来るのか!・・。 ハンディを 背負っていると
言っても、決っして 過言ではない 空冷 Z であるが、これまで 拘り続けて来て そうも容易く
諦めたくは ない・・。 かつては、レースから 培ったものを RCM に フィードバック して来たが
今度は その逆・・ RCM で 培った技術を レーサーに フィードバック!させて行くのである・・。