11月7日の 午前4時・・。 前日からの雨が まだ薄っすら残り、深い霧が絶ち込める・・ そんな
静かな朝の サンクチュアリー本店・・。 今日と言う日は、ある意味 記念すべき日となりました。
陽が短い季節もあって、早朝の4時ともなると まだ 辺りは、夜の帳に つつまれております・・。
そもそもは 今日、この日の為に 諸々 作業やトレーニングを 積んで来た事・・。 例え それが
簡易的とは言え、始めて 自分達の出来事としての 経験であり、厳粛には なると言うもの・・。
前日までの 畔柳とツバサ・・。 マシンを直に 手がけるだけでなく、情報収集も大切と、二人で
何事も 力を合わせています・・。 軽率感は許されない事と、認識をしている 二人でした・・。
仕事が少ない訳ではありません・・。いや むしろ この二人が抱えている作業は、その量自体、
相当な量と言えるでしょう・・。 担当する お客さん達の 作業を犠牲にせず、それでいて 尚、
レーサーに手を付けて行く・・ と 言う行為は、決して 生やさしい 事ではないのですから・・。
疲れも眠気も 消えはしませんが、遅れる訳にはいきません・・。マシンを積み込み 出発です。
濃霧に霞む、朝の 筑波サーキットに 到着・・。 つい先日、T・O ・T も 終わったばかりであり、
全日本ロードレース選手権も、その 年間日程を終了しており、人気の少ない 今 この時期・・
こんな時期だからこそ あえて ふさわしい!と ・・ 私だけかも しれませんが 想いました・・。
Z レーサー2号機・・。 およそ 4年に渡る歳月を経て、今・・ 筑波のパドックに 帰還・・。
本日の 乗り手も到着・・。 おもむろに 2号機に跨り、何やら感触を 確認している様です・・。
まるで違和感のない 後姿なのは、私達と共に このマシンを 育んだ男だからでしょうか・・。
もう かれこれ 10年近い 遠い昔・・ こんな風に メカニック達と始めた事を 思い出しました・・。
自分達だけで造り、自分達だけでメンテし、それがどれ程 通るものなのか・・ レースの世界を
まるで わかっちゃいなかった、かつての 本店メカ達の顔が、浮かんでは デジャブリます・・。
両角ツバサ・・ ほんのわずかな 期間ではありましたが、全日本ロードレース選手権の 現場を
経験して来ています・・。 お世話になった チームは ”モトバム・レーシング” ・・。わずかでも
レースの現場にふれ、ベテランの行動を 身振り手振り、真似をする所から 始まりました・・。
サンクチュアリー本店での 最後のレースでは、パドック 内で Tシャツの 売り子をしていた
畔柳翔一・・ この数年で、ずい分と 逞しくなったもんです・・。 畔柳も同様に 全日本の現場で
宇井陽一氏のもと、だいぶ鍛えられました・・。 もう Tシャツを 売っていた あの頃の畔柳とは
まるで違います・・。 まだ 若い二人ではありますが、よく ここまで ついて来たもんです・・。
走行時間が来ました・・ 咆哮一発、 2号機のエンジンに 火が入ります・・。
そして この瞬間!・・ ゼッケン39 の男も また再び・・
その4に 続く・・