総員参加での 取り組みとなって、急ピッチで 組みあがっていく、Zレーサー New1号機・・
完成目標は 3月上旬なだけに、時間は少ない・・ 非常に深刻な 状況であるとも言える・・。
TOMO‐FRP製の シングルシートを、フィッティングさせる為の ブラケット 単品製作に入る・・
延べ 5点の スクリュー固定式とし、一箇所を除いて、ラバーマウント方式を 採用する予定・・
脱・着 整備性は、言うに及ばず・・ 取り付け後の 座りの良さや、荷重を掛けた際の 強度など
シンプルな中にも、意外な機能が 込められた 部分である為、検証しつつ 作業を進める・・。
シングルシート後部を 固定する シートレールを ワンオフ・・ 多少ではあるが、軽量化 目的で
今回は リブ付き角パイプではなく、外R付きの 7N01角パイプを 採用・・ リブ付きではない
素の角パイプは、曲げる際に 応力が集中し易く、簡単に つぶれ易いので 注意が必要だ・・。
リアショックは フロント同様、OHLINS製を チョイス・・ 最軽量であり、ハイエンド・スペックの
New ジェネレーション モデルを選択・・ スプリングは、歴代 Zレーサー 統一の イエロー・・。
シートレールを 溶接で 組み上げて行く・・ このまま 作業すれば、各所が 引っ張られてしまい
大きく 歪む事、まず 間違いなし・・ 簡易的な 固定冶具を造り、歪みが出ない様 配慮するが
それでも実は、わずかな歪みは 防げなかったり するもの・・ では、どうしたら 良いのか?・・
溶接によって 反るのだから、その性質を 逆に 利用してやれば いい・・ 手順を 考えながら
反作用させる事で、かなり 戻って来ると 言う理屈だ・・ もっとも、実際に それを出来るのは
残念ながら、本店では たぶん 中村だけ・・ 若手達にも 少しずつ、教えたい 技術である・・。
ピシッ!・・っと、気持ち良く、ボルト・オンで 取り付けが 可能な、シートレールの 完成・・。
サンクチュアリー本店 の Zレーサーは 何と言っても、Z1‐Rの フォルムが 伝統である・・。
もちろん ここでも、ファイバー製品は 軽くて 精度の高い、TOMO‐FRP製に 拘っている・・。
マスク周りは、操作性に影響する 重要な 部位である為、ただ 付いていれば 良いと 言う
訳ではない・・。 ステアリングを 切った際の、ハンドル上パーツとの 干渉具合や、ここでも
もちろん、整備性だって 問われて来る・・ 当然、かっこ良く 装着されて もらいたい訳だし・・。
何とか 及第点の取れる レベルで、アッパーカウルが 固定できた・・ なかなか 悪くはない・・。
カウルは 中村の愛機、RCM-001と 同形状の物・・ カウル上の 後ろに伸びて行く 部分が
オリジナル形状に なっており、TOMO‐FRP との コラボで ” TYPE-RCM カウル” として
販売される事になった、特別品・・。 17インチシャシーの Z1‐Rなら、きっと 似合うはず・・。
菊池が、電解の ブラックアルマイトで 仕上がった スイングアームを、持って来てくれた・・。
これを受け取った ツバサは 早速 三階、自社製品業務課に 向かう・・ 目的は 重量計測・・。
4.050 kg ・・ 普段、ストリート RCMで 使っている SCULPTURE製の スイングアームが
4.380 kg だから、その差 330グラム の 軽量化が、出来ている・・。 ほんの わずかだが
スイングアーム意外の 部分でも 軽量化は 行われてる訳だし、塵も積もれば 山となろう・・。
まずは 揃った部品を 組んで行く・・ が、実は ピボットスリーブの スペシャル仕様を 同時進行
している為、後日 それを組むべく、ふたたび分解をする 段取りだ・・ とにかく 軽さに拘る・・。
エンジンも 進んでいる・・。 ヘッドを中心に 鋳造部が だいぶ へたれて来ているが、まずは
オーバーホールのみで、シェイクダウン する予定・・ これはこれで 楽な道とは言えないが・・
エンジンは、レーサーの 命であり 要・・ かつて、ファースト世代の リーダーとして 席捲した
笹賀も アドバイスをする・・ 畔柳と笹賀、双方お互いに 年の差も キャリアも、大きく違えど
同じ サンクチュアリー 本店 レーシングの、クルーである事には 変わりないのだから、ここは
世代を超えた 伝授があって、然るべきなのだろう・・。 考え方や 捕らえ方は 全く異なるが
先輩と後輩、それぞれ 共有したテーマで 語れば、自ずと 温度の高い 内容の話となる・・。
メカニック 5年目とも なると、疲れは 溜まって来る頃である・・。 実は 畔柳も、ここ 1~2年
何となく 疲労感を 見せていた・・ 実際、通常の仕事量も 畔柳の場合、多く 担当しているし
また、先輩と後輩の間で 板ばさみになる 立ち位置と 言うのもあって、気力が 落ちて来て
いるのだろう・・。 覇気の様な資質を 伴わう事が 出来なければ、この先 レースメカとして
試練を超えて 行けないかも知れない・・。 だからと言って 甘やかす訳には いかない・・。
畔柳にとっての 大一番!・・ 中村も笹賀も、遠くから 見てやるだけしか 出来ず・・
そして、Zレーサー New1号機・・ 次回から その姿を、少しずつ お見せします・・。
その17に 続く・・