RCM-240 Z レーサー New1号機 を 新生させるべく、今年に 入ってからと 言うもの
相当な時間を 費やしている・・。 殊に このフレームに関しては、常日頃からの レギュラーな
作業ではなく、まさに ”スペシャル” と 名付けるに、相応しい仕様と 言えるからである・・。
普段、RCM製作時においても そうだが、部材は ひとつ ひとつ、手作業にて 製作を行う・・
フレームの個体差や 仕様を 考えたならば、本来 量産向きではないと 思えるからである・・
より高い完成度を 追求するならば、やはり部材は 手作業で造って行きたいと 痛感した・・。
もちろん、我々メカニックの仕事が 格段に きつくなり、能率悪い事が わかっていてもだ・・。
ガセットを 型から押し出す・・ いくつかある 型の中から 適切なものを選び、手作業で造る・・。
フレームラインに 沿わせて ピッタリ 擦り合わせた後、バーリング(めくり穴)加工を 施した・・
こんな 小さな部位でも、剛性UPと 軽量化の追求は 忘れる事なく 強く意識し続けたい・・。
自信の持てる 部材が出来たら、後は丹念に 溶接して行くだけ・・ 集中力を 切らさず望む・・。
旧1号機と 2号機が そうであった様に、New1号機も、アッパーカウルは フレーム固定式と
なる・・ ステアリング回りに パーツの重量を 載せたくないからだ・・。 フレーム側のマウントは
2.3mmの 薄肉プレートに 穴あけを施したもの・・ より 軽くする為に、プレート間に 挟まる
スペーサーには、アルミカラーを 用いた・・。 例え グラム単位でも、絶対に 軽視はしない・・。
中村が一人、フレームと 格闘している間に、畔柳が エンジンの分解と 分析を開始した・・。
取り組んでいるのは、2号機レーサーの 決勝用エンジンユニット・・ シャシーダイナモ上の
測定で、後軸 149馬力を マークした、ローラータイミングチェーン 方式の エンジンである・・。
ファースト世代達が 築き上げて来た パワーを、セカンド世代の 代表的立場である、畔柳が
受け継ぐ・・ セカンド世代で パワーダウンした・・ とは 言われたくないだろうから、さすがに
緊張した 面持ちである・・。 もっとも・・ ファースト世代も 最初は こんな 始まりであったが・・
この段階で、車体を構成するパーツも 製作を開始・・ 溶接性の良い、A5052材 2mm板を
用いて 各ピ-スを 切り出し、徹底した 肉抜き処理をした後、曲げ加工を 施したものだ・・。
溶接で 繋ぎ合わせると、見た目の印象よりも 箱剛性の強い事が わかる・・ この ボックスは
バッテリーケースで、コンパクトなMFバッテリーを 搭載予定・・ もちろん ラバーでマウント・・。
歴代 サンクチュアリー Z レーサーが 纏ってきた、TOMO‐FRP製 シングルシートが到着・・
この Z1-Rタイプ意外にも、MK-Ⅱタイプや Z-1タイプがあり、どれも皆 素晴らしい造形で
造られている・・。 中村個人が 思うに、この手の造形パーツは 選択を間違えると、意外に
チープなマシンに なってしまいがち・・ 使い心地は 言うに及ばず、フォルムも重要である・・。
リアショックの位置を 大きく 車体中央寄りに 置いている為、そのままでは 取り付け出来ず
一部を加工して 被せます・・。 この辺は 正しく、1号機 らしい シルエットに なる事でしょう・・。
7N01角パイプを 繋いで、シングルシートの 台座を製作・・ これも、ライトウェイトに 拘る・・。
TOMO‐FRP製品の 左右精度にも助けられ、非常に 良い感じに進行・・。 代表の 森屋氏に
感謝したい 気持ちである・・。 レーサーとは言え、正真正銘 一台の RCM なのだから、ここは
姿・形も 大事にして行きたい・・ 速くて カッコいいバイクが、T・O ・T の 醍醐味なのだから・・
まずは この勢いを持って、New フレームの 完成を 急ごう・・。 時間に 余裕はない・・。
その12に 続く・・