タイムは、これまでの中では 最も良い ベストタイム・・
水冷最速 ハーキュリーズクラスとの 混走、 総合で 予選6番手・・
そして本来の、S・モンスター EVOLUTION クラス、2番手の 位置である
しかしながら、 あと わずかとは言え 本当に 1分切りが 果たせるのか・・
この1号機は Z‐1ベース・・ オリジナルフレームの優位性は ないのだ・・
ステアリングヘッドパイプ 位置が、エンジンから 遠い レイアウトなのは、Z系の
特徴である・・ 当時メーカーが、整備性を 考慮したが故に だと、聞いた・・
本来は 18インチが 適合するはずの フレームジオメトリー と、言って良い・・
では 何故の、17インチホイール化 か・・
もちろん ハイスペック 17インチタイヤ 採用による、その恩恵は 重要だ・・
だが何よりも・・ ノーマルフレーム Zを 17インチ化で 造り込む・・
その ハイバランス領域での 融合・・ RCMとは 本来 どんなマシンなのか・・
そんな想いの方が、強かったから・・ なのかも知れない・・
自分達が日々、磨いて来た 技術・・ 自信を持って 進みたい・・
だから、オリジナルフレーム Zレーサー2号機では なく・・ 1号機だった・・
それが、 立入、 川浪、 吉田、 道岡、 菅原、 そして 笹賀の、ファースト世代から
引き継がれた 意思・・ 果たせなかった 夢・・ 受け継いだ 志 でもある・・
セカンド世代が、成し得る・・ 成し得て 見せる!
そして今 NEW1号機は、 彼らの手で、オリジナルに 昇華を果たした・・
プロジェクトJAM での、シャシーダイナモ 測定値・・
最高出力 132.1馬力 最大トルクは 11.2・・ 今回の1号機が 搭載する
パワーユニットの スペックである・・ 数値は、驚くほどの 値ではない・・
あの 最強最速 混走クラスでは、むしろ 貧弱で あると、言えるだろう・・
エンジンは、畔柳が 組み上げたもの・・ だが 今回、特筆すべきは
かつての先輩達、ファースト世代の エッセンスが、入っていないと言う 点だ・・
自らが学び、経験して来たデーターを 培って、新生した パワーユニット
立入の ハイボチェーン仕様でも ない・・ 笹賀の 後軸148馬力でもない・・
先輩が 残した布石を、使う事なく・・
畔栁が 造り出した・・ 正に、オリジナルの パワーユニットなのだ・・
私 中村は、 この 新しいエンジンが 好きである・・
奢りなき・・ あるのは 想い・・ そして情熱・・ 今はまだ、平凡な スペックでも
いずれは高見を 垣間見る・・ そんな可能性に 満ちている様に 感じるのだ
もう 迷いはない・・ 自分達の手で、記録を 勝ち取ると 決意したのだから・・
もう 以前の 彼らは、 ここには いない・・ 少し さみしい 気もするが・・
ここには、 この1~2年で 著しく 急成長した、若者の姿しか なかった・・
さぁ、 決勝に 臨もう・・
畔栁、ツバサ、大地・・ 彼らの後ろから、更なる 若手達も繋がる・・
想いは 同じ・・ 上田を 勝たせたい・・ そして、壁を 越えてもらいたい・・
暑さは一向に、収まる気配を 見せず・・ 空冷エンジンに とっては、厳しい・・
レースに携われば、皆 わかる事なのだが、気温の上昇は 空冷エンジンにとって
本当に厳しい 事なのだ・・ 実は 私自身、それを痛感 させられた程である
ハーキュリーズと 混走になる 前、 モンスター EVOLUTION 時代から
常に 参戦を絶やさず、常勝を 続けて来た、 Kz ファクトリーの、Z・・
このマシンと 1号機は、永きに渡り バトルして来たと 言っても、過言ではない・・
そして、 この オリジナルフレームで 武装した、脅威の車体・・
かつて Zレーサー2号機と 白熱のバトルを 展開した、ラッシュディール Z が
イエローコーン Z として、ここにいる・・
上田は・・ 何を 想うのか・・
テイスト・オブ・フリーランス時代から、これまで 数多の戦いを 制して来た、上田・・
今大会こそが、これまでの 戦いの中でも、最も 厳しい戦いであろう・・
上田の胸中が、如何なるものであれ・・ 今は上田に、託して行く・・
ここで・・ この戦いに 参戦 出来る事を、誇りとし・・
コースグリッドに、この Zレーサー1号機を 運ぶだけ・・
最強 最速・・ いや、 最恐 と 呼ぶべきか・・
見ようによっては 和みすら 感じれた、ここまでの アマチュアレースの 世界観が
一転して ひっくり返る・・ 正に、命がけと言っても 大袈裟ではない・・
水冷最速 ハーキュリーズ と、空冷最速 S・モンスター EVOLUTION の 混走
チューナーの 威信と、 ライダーの プライドを 賭けて・・
この日、誰よりも 速く走る 男達の戦い・・ 今、闘志が 激突する!