Z‐1の ノーマルフレームを ベースに、59秒台ラップを 目指す ゼッケン39番・・
ライダー上田も、素行錯誤を 繰り返す・・
ライディングスタイルを 変える事で、タイムを縮めようと 試みていたのだ
一口に 59秒台と 言っても、それは決して 簡単な事では ない・・
40年も昔に生産された マシンで、そこに挑戦する事の、何と 厳しい事か
マシンの動性能を、真に 昇華させていなければ、まず・・ 難しいであろう
エンジンパワーを 軽視して臨んでも、結果には 繋がるまい・・
空冷最速、スーパーモンスター EVOクラス で あるなら、後軸130馬力以上は
少なくとも、最低の条件であると 言えるのだから・・
むろん・・ クラス云々 抜きに、59秒台を 実現させるなら、尚更である
コンパクトなコーナーリングで、各コーナーごとの タイムアップを 狙う・・
オリジナルフレーム Zレーサー 2号機の様に、クルリと 回頭させられれば
インフィールドだけでも、コンマ4~5秒の 短縮が 出来るかも知れないのだ
だが、やはりそう 容易い事では ない・・
空冷Z ノーマルフレームの 構造的な壁が、高く 立ちはだかっていた・・
ヘッドパイプが遠く、フロント軸位置が 離れている様に 感じる!
2号機の様な コーナーリングは 難しい・・ 大きな変化を 望むのならば
フレームディメンションに 手を加える必要性が あった・・
だが、 それは無理な事・・
今ここで やれる事を やろう・・ キャブレターセットで、加速ロスを 減らせ!
コンマ1秒を 短縮させる事・・ ノーマルフレーム Zが、59秒台で 走る事・・
それが どれほど、大変な事か・・ 改めて、胸に食い入った・・
走行終了・・ 戻るライダーを 迎え入れ、この日の練習を 終えた・・
この日の ベストラップ 0秒456・・
上田は、納得のいく クリアーラップは 一周もなかった と、言っていた・・
悔しさが 蒸し返される・・
メカニックとして 力を発揮し、乗り手に 優位性を 与えてやりたいのに・・
第3ロウンドを 迎え、未だ ハイバランス領域に 踏み込めていない・・
ここまで 鍛えに 鍛えられし、 自らが 得たもの・・ まだまだ 磨かねばと
改めて胸に、闘志を抱く・・
フラストレーションが 残らないと 言えば、 嘘に なるだろう・・
ひとまず、方向性だけは 見えた・・ それだけでも 収穫・・
戻って エンジンを開けよう・・ 数馬力だけなら、今からでも 載せられる・・
決勝当日まで あと わずかではあるが、出来る事を・・ やれる事を やろう
先代メカニック達が 成し得られなかった 目標・・ 空冷Zでの 夢を・・
彼らの手で・・ 今こそ、成就させる為に!