何事であれ、進化を遂げて行くと 言うのは、当然の事・・
誰だって・・ いつまでも 同じ所には、いないものなのだから・・
人間だけ じゃあない・・ マシンも・・ そして レースもだ・・
Z-1が・・ 筑波サーキット 一周を、そろそろ 59秒で 走ってもいいはず・・
そう想って 臨んだ、2度目の 挑戦だったが・・
渾身の 137馬力エンジンは ブローし、 老朽化著しい スペアエンジン・・
126馬力ユニットで 再び、送り出す事に なってしまった・・
ゼッケン 39番のライダー 上田隆仁は、それでも走る・・
自らの ライディングスタイルに 変化を生み出し、奪われたパワーを 補う 走り・・
1分 0秒 3・・ 皆、胸が熱くなる 想いで、その走りに 見入った・・
だが、6年前に 上田は Zレーサー2号機で、1分0秒128 と言う タイムを
既に 叩き出している・・ オリジナルフレームと 言う アドバンテージが
あったとは言え、6年も前の タイムを 超える事が、出来ていない現実・・
空冷Zの ノーマルディメンション・・ ヘッドパイプ位置を 変更せず、ピボット位置も
さわらずに 挑む スタイル・・ ここらが 到達の限界点だとは、思いたくはない・・
Z-1と言う オートバイが、本来持っている 資質のまま、59秒台を 目指す・・
Zレーサー 1号機でなくては ならない、意味が・・ 意義が あるのだ・・
いつもの日常から、かけ離れた 世界・・
言わば 始めて知る、 競うと言う 行為・・ 戦うと言う 経験・・
平成生まれの 若者達が 懸命に仕上げた マシンで、この男も 走る・・
その期待に 応えようと・・ 諦めない・・
だが、驚愕の水準に 戦慄する・・ 圧倒される 魂・・
ここまで 既に、身も心も 疲れ果てた所への、追い討ちかで ある様に・・
オリジナルフレームの Zが この日、 ついに 59秒台突入を 果たしたのだ・・
レースは 終わった・・
不完全燃焼だった・・ 2度目の挑戦で あっただろう・・
時は流れ、 2014年・・
決して毎日が、順調ではなかった・・ いやむしろ、苦しんでいたと 言える・・
だが、 悔しいと 感じたから・・ 憤る心を 持てたからこそ・・
立ち向かおうと する為に、寒さと孤独に 抗えた・・
そして・・
早春の 朝日と、共に・・
すっかり 打ち解けた 静寂と、共に・・
もう決して・・ 自分達に 相応しくないとは 感じない、このコース・・
このパドックに・・ 再び 戻って来た・・
新たな 志を 従えて・・
39の挑戦 Round-3 が、今ここに 始まる!