レースの翌日 普通に出勤するも、自分でも思っていなかった程に
疲れが溜まっており、すぐにブログを書く事が出来ませんでした。
真サード世代の彼らはと言えば、もちろん 休日を取らせています。
おそらくは自分よりも ずっと、 疲れ果てていた事でしょう・・・
2019年 11月10日・・・
今日 ここ筑波サーキットで TOT決勝が争われる。
ここまで決して順風萬寳とは言えなかった日々だったが、それでも
無事この日を迎えられた事は ライダー國川浩道の追求する姿があり
更に 誠太郎を始めとする真サード世代達と、縁の下の力持ちとも
言える 江尻氏、皆の努力と結束で辿り着けたのだと思っている。
ところが・・・
早朝から大きなアクシデントが発生してしまった・・・。
真サード世代リーダーの、誠太郎が来れない・・・
待ち合わせ場所に向かうべく 予定通りに自宅を出たのだが、直後
ある事が起こり、絶望的な連絡が入ったのだ。
不謹慎な発言かもしれないが、もはや 今日のレースは無理だとさえ
思わされる衝撃と絶望に、ショックを隠せず 誰しもが口を閉ざした。
誠太郎の身に 一体何が起こったのか・・・
ここでは詳しい内容は控えさせて頂くが、本人の名誉を守る為にも
決して遅刻などの類ではないと・・・
本当に不運で衝撃的な出来事であったとだけ、言っておきます。
「今日は誠太郎がいない・・・ お前達だけで やれるかっ!」
そんな問いかけに対し、精気のない返事が返って来た・・・
無理もない・・・
誠太郎が置かれた状況に 誰しもがショックを受けていて、口には
しないものの、全員がレースに対するモチベーションをなくして
しまっていたのだから・・・
やるしかなかった・・・
普段工場では教えられる事のなかった レースメカとしての仕事を
今日彼らだけで やるしかなかった。
もちろん不安はあるだろう・・・
だが今日まで沢山の事を学び、多くの経験を積んで来た。
サスペンションと車体の勉強をし、マシンの維持と管理が如何に
重要な事なのか。
真に【レーシング】の名に恥じない、相応しきノウハウを・・・
この数か月間で身に着けたのだから。
「たとえ誠太郎さんがいなくとも、皆さんなら やれるはずです」
「自信を持って行きましょう」 と、江尻氏が 勇気づけた・・・
今だから言えるが、この時江尻氏も 精一杯であった・・・
気丈に振る舞う事で 何とか成り立たせようとしてくれていたのだ。
間もなくして 國川が到着・・・
誠太郎に起こった事態を説明すると、國川も同様を隠せなかった。
だが 國川はすぐに切り替える・・・
誠太郎さんは今日に賭けて来た。 だからやり遂げてみせる! と
まるで國川の闘志に火をつけたが如く、マップを調整し始めた。
一人でも手があった方がいいと、佐々木が他の者にも 基本的な
ピットワークを教える。
ウォーマーの脱着タイミングが スターター始動に絡んでいる事。
毎エアーチェックを欠かさない事に 残ストの意味とその重要性。
なぜそれが必要なのかまで 丁寧に教えて行った・・・
予選前にリアタイヤを換えるローテーションだったが、誠太郎が
いない為、仁科がパワービルダー 針替君の元へと走った・・・
事情を説明し、快く すぐにタイヤを換えて貰う・・・
ここぞと言う時・・・ 厳しい状況にある時 いつも助けてくれる
感謝と言う言葉しか浮かばない。
間もなくハーキュリーズ&スーパーモンスターエヴォの 2クラス
混走 予選が始まろうとしていた・・・
気のせいか 國川の表情が、いつもより厳しい顔つきだった様に
思う・・・
と、その時・・・
10時もすぎた頃だったか・・・
何と 誠太郎がやって来た!
聞けば やるべき事を何とか終わらせたので、駆け付けたと言う。
その顔色は険しく 限りなく疲労していたが、レースをあきらめない
と言う目の輝きだけは 消えてなかった・・・
色々ありはしたが、皆 安堵したのは確かな事・・・
國川の表情にも、わずかながら 笑みが浮かんだ。
現時点でのセットデーターをチェック。
全員、異存なしだ。
ピットロードを押して 予選スタートポイントへ。
なぜか一瞬 パドックが静かになった様に感じた・・・
全車エンジン始動!
水冷最強・最速 ハーキュリーズ・・・
そして 空冷最強・最速 スーパーモンスターエヴォリューション
2クラス混走の予選が 開始された!