本年 レース活動への復帰にあたり、これまでの道筋をたどります。
内容は相当省きますが、それでも長いものになると思いますので
ご容赦下さい。
サンクチュアリーのレース活動は松戸市での創業時代より 好きで
エントリーしていた テイストオブフリーランス(T・O・F)に
起源を発した1990年台後半にまで遡る。
2000年に江戸川区に移転してからは 更に活動はエスカレート。
2005年5月の大会、モンスターエヴォリューションクラスでの
レースを皮切りにヒートアップし、レコードラップもそれまでの
1分2秒台から 一気に1秒台へ。
だが・・・
あの漆黒のマシンが現れて 流れは大きく変わり始める。
彗星の如く登場し、当時早くも 1分を切るタイムを叩き出した
ラッシュディールZ(後のイエローコーン HAM STEAK‐Ⅱ)は
コンパクトなオリジナルフレームのZで、これまで見た事もない
動性能を見せつけた。
それは ブレーキングやコーナーリングライン ひとつ取っても
明らかに別次元のポテンシャルで ショッキングな走りであった。
驚くべき動性能の違いは もはや 空冷Zの鈍重な走りではなく
ノーマルフレームベースのZレーサー1号機では 成す術もなし。
そんな 追い詰められた最中に・・・
練習走行中にハンドルが回って 1コーナーで痛恨のクラッシュ。
大きなダメージを負い 再生不能となったZレーサー1号機・・・
Zのフレームを別で用意し もう一度イチから再生させるか、あるいは
あの漆黒のマシンに対抗すべく もう一つの道を選ぶかと迫られて
選択したのは、手段を択ばず 最強のZを追求する事・・・
同じ様にコーナーリングできる 最速のZを造り上げる道だった。
初めての試みに 情熱は注がれる・・・
徹底抗戦の構えで臨んだ、オリジナルフレームへの挑戦・・・
現在取り組んでいる RCM USA A16の源流ともなった
第二走者、Zレーサー2号機である。
そして2007年10月、記念すべき 現在のテイストオブツクバ
T・O・Tとなった 第一回大会。
初開催となるスーパーモンスターエヴォリューションクラスの決勝で
2台のオリジナルフレームZが 更にベストタイムを0秒フラットまで
引き上げると言う、異常なレース展開に・・・
空冷マシンクラスの水準を 短期間で著しく進化させる結果となった。
だが・・・
ここでサンクチュアリーのレース活動は、突如 途切れる・・・
あまりに激しく のめり込み過ぎた事から、メカニック達が心身共に
疲労困憊した事、そしてそれにより 通常業務が大きく滞ってしまい
当時のお客さん達に納期の面で迷惑をかけた事が 主な原因であった。
実際・・・ 本当に過酷な数年間だったと思う・・・
時は流れ 2013年。
早朝の筑波サーキット・・・
新生し、New1号機として還って来たZレーサー・・・
Zのノーマルフレームベースで どこまで行けるのか・・・
かつて旧1号機が果たせなかったラップタイム 1分切りを目標に
あの日 転倒大破で途切れた1号機のレースが、ふたたび再燃。
この頃より 空冷最速スーパーモンスターエヴォリューションは
水冷最速ハーキュリーズクラスと混走でのレースとなっていた。
並みいる水冷車に混じり 出力や耐久性で劣る空冷のZレーサーは
当然ながら悪戦苦闘するが、それどころかオリジナルフレームで
別次元の走りを見せる 同じ空冷エンジンのマシンにも詰め寄られ
ノーマルフレームベースのNew1号機の戦いは 熾烈を極める。
それでもNew1号機は 59秒913と言う、目標としていた
1分切りタイムを達成。
が しかし、Zのノーマルフレームベースで59秒台から先を
目指す事は不可能だと 悟らされるレースでもあった・・・
0秒台から その先の59秒台に入った時 フレームに現れた症状は
予想外にも 前後エンジンマウントへのダメージと、懸念していた
ステムヘッドベアリング部の限界変形で、Z系ノーマルフレームの
限界点を あらためて痛切に知る・・・
旧1号機が目指した 空冷Zノーマルフレームベースでの 筑波
59秒台ラップを、New1号機が果たした事で幕は閉じたが
新たなオリジナルフレーム空冷マシン達を目の当たりにし、その
絶対的な性能に苦戦を強いられたと言う 印象だけが残った。
ましてやハーキュリーズマシン達の その速さ、凄まじさは圧巻で
Zのノーマルフレームベース+空冷エンジンの1号機では この先
太刀打ちできるものではない。
脳裏をよぎるのは、同じ オリジナルフレーム・・・
Zレーサー2号機。
この2号機の挑戦とて 同じく完結をしていない・・・
だが、初めて製作した この2号機のオリジナルフレームの問題点も
幾つか認識できており この2号機をそのまま走らせると言う選択肢は
なかった・・・
驚異の58秒台でラップする、最強・最速の 混走2クラス。
開発を急げ! 全ての集大成たる A16R Zレーサー3号機。
Z系空冷エンジンでの、一連における 最後の挑戦に臨むべく。
かつて限界まで戦ったファースト世代のメカニック達は、もうこの
最後の挑戦に 参加する事はないだろう・・・
だが それでも
唯一のファースト世代、鈴木誠太郎はあきらめていない・・・
加えて 現サード世代メカ達の中から、頭角を現す者もいるはず。
そして
俺とて まだ現役・・・
久々に自らの手で 3号機のエンジンを組む。
ゼッケン39最後の挑戦を見届けるまで、その手を休める事はない。
* Special Thanks (株)イエローコーン