モンスター EVOLUTIONクラスの、公式予選が 始まった・・・
序盤から クリアラップを狙って 飛び出す、上田と New1号機 MEバージョン・・・
5週目に かなり良いタイムが 出たであろう と、 思った直後・・・
パドック内が にわかに、ざわめき出した・・・
レッドフラッグ(中断旗)が、コース上で ふられている・・・
そろそろ上田が 戻って来てもおかしくない タイミングなだけに、皆の脳裏に
よもやと言う 不安が よぎっていた・・・
だが 無事に 帰って来た・・・
どうやら 最終コーナー侵入付近で、何台かのマシンが 絡んで 転倒した模様・・・
コース上に マシンが二つに千切れて 転がっているらしく、かなり 酷い状況との事から
一時 中断された様だ・・・
結局 予選は、これで終了 してしまう・・・
上田も さぁ ここから! と 言う所から 終ってしまったらしく、もう少しタイムを
伸ばせたなと、やや 悔しそうに 語っていた・・・
だが、ふたを開けて見れば、上田が トップタイムを マークしていた・・・
1分0秒 065・・・ ここまでの 練習走行では 見る事が出来なかった
ほぼ 0秒フラットである・・・ おまけに コースレコードまで 更新している・・・
この大会を 迎えるにあたり、少ない練習時間と なかなか上がらない調子に、正直
不安を 隠せずにいたが、ここに来て 全てを 払拭するかの如き 結果であった・・・
チームブースに戻り、決勝までの 時間に 費やすべき事は 山ほどある・・・
たとえ 賞典外であろうが、勝利を掴む為の 執着心を、笹賀は 唱え続けていた・・・
にわか仕立ての自信や はったりで 通して来たメカニックは、星の数ほど 存在するが
その類のメカニックが 今日の T・O・T で 勝利する事は、まずないと 言い切れる・・・
サード世代の 面々とて、自らの 技量とセンスに 自信が なかった訳ではない・・・
だが 彼ら自身は そこで奢る訳ではなく、より高みを 見続けようと した・・・
そこが・・・ 良いと 思う・・・
笹賀は 志 持つ者には、同調してくれる 男・・・
薄っぺらな メカニックではなく・・・ 真に 実力あるメカを 育てられる 男・・・
オートバイチューナーと して、 レースメカニックと して・・・
そして チームとは何なのか・・・ 何が一番 大切なのかを、教え続けていたのだ・・・
ファースト世代から、サード世代へ・・・
笹賀と 彼らの間に、もう 壁はなかった・・・
迎える 決勝・・・
サンクチュアリーブルーを 身に纏い、この場で共に 戦う事を 夢見ていた もう一人の
本店レーシング メカニック・・・
倭も 今・・・ 笹賀と 共に、 決勝のグリッドに 立っている・・・
(その7)に 続く