始まったばかりと 言うのは、これまでも何度か 経験して来たことだ・・・
何もかもが 文句なしのスタートなど、期待してはいない・・・
むしろ・・・ 身に付ける為に 敗北する事 こそ、 重要なのだと 言えるだろう・・・
Zレーサー New1号機が 現在 搭載するエンジンは、2014年の決勝で 使用していた
ものを 再利用しており、そこから特に 変更はされていない・・・
最後に測定した 後軸出力で、132PS程度のユニットであり、正直なところ レーサーと
しては、お世辞にも 褒められた 数値とは言えない・・・
それでも ロードバイクは、バランスだと考える・・・
パワーと シャシーの融合は、上田が乗っていて、乗り易い事に繋がる・・・
それは安心して 走れる事であり・・・ もっと言えば 楽しんで走れれば、尚 良い・・・
ところがそれは、何も機械性能の 話だけではない・・・
ライダーが そのレースにおいて、いかに モチベーションを高められるか・・・
この曖昧とも思える 要因が、実は レース結果に大きく 影響したりするものだ・・・
メカニックが 信じられなくなれば、マシンのちょっとした部分に 違和感を感じる・・・
例えマシンに 問題がなくとも、乗り手は ネガティブな受け取り方を してしまうだろう・・・
何もこれは レースの現場だけに 限った事ではなく、実はストリートでも 全く 同じで
信頼関係は ちょっとした事から 綻び、気が付けば 埋められない溝に なる事もある。
自分から相手を 求めるのは、ある種 がむしゃらで、気持ち良い事なのかも知れない。
でも、本当に必要なのは・・・ むしろ ライダーの方から、 求められる事・・・
マシン性能が 優れていれば、かなりの成績は 残せる・・・ だが より高みを
目指す場合、一方通行のままだと 最高峰のステージで 勝利を掴む事は 難しい。
月並みだが コミニュケーションスキルは、確実に 必要な力だ・・・
その上で ライダーと メカニックは、マシンと言う存在を 介して 繋がっている・・・
マシンは正直だから、決して オブラートに包んで 伝えてはくれないのだから・・・
乗り手の気持ちを 瞬時に察して 期待に応えるべく、 時には ミリ単位に 細かく・・・
時には たった1度の角度に 拘り、 どんな些細な 症状にも 気が付く、繊細性・・・
故に・・・ 致命的なミスを 犯さない・・・
私は そんな男を、 よく 知っている・・・
かつて サンクチュアリー 本店レーシングを、連戦連勝に導いた 男・・・
この男も また、ふたたび・・・
ゼッケン39の 旗印の元に・・・ 今また ふたたび、舞い戻って来た・・・